学生食堂での3密を事前に回避するためにウェブ上で利用するアプリです。食堂運営会社の常翔ウェルフェアの協力を得て実証実験も行いました。食堂の出入口に設置した赤外線の人感センサーによって、店内への入退室人数をカウントし席数から計算した混雑状況を、開発したアプリにリアルタイムで表示するものです。 実は林さんは3年の時の「ものづくりデザイン思考実践演習Ⅱ」で、同食堂の空席確認・予約アプリを制作していました。「日常の困りごとを解決する」という課題で、一般客に人気で満席になることが多い菜の花食堂の問題に取り組んだのです。その旧アプリになかった混雑具合を示す機能を加えて「With corona」仕様にバージョンアップしたのです。制作したウェブアプリに学生ユーザーがスマホなどで接続すると、混雑状況を3段階表示と%表示で確認できます。また一般市民の食堂利用者向けには、1階の直通エレベーター横のモニターに混雑状況を表示します。 審査では、「短期間ですぐにでも使える実用レベルを実現した」と高く評価されました。プレゼンテーションでのアピールも効果的だったと振り返ります。林さんはカメラを使った先進的な画像処理などの技術をあえて使わず、コストが低く中小規模の店舗でも導入しやすい赤外線センサーを採用。「『最新より最適を』という視点が、ものづくりでは大事だと学びました」と話します。大学院進学を予定している林さん。将来は人のストレスを計り、メンタルサポートするロボットやシステムの開発を夢見ています。コロナ時代に「こんなんあったらええなぁ!」大阪工大ものづくりアイデアコンテストに力作続々 コロナという怪物にものづくりで立ち向かおうと、大阪工大の学生たちが自由でユニークなアイデアを競いました。「With corona OITものづくりアイデアコンテスト~こんなんあったらええなぁ~」の表彰式を10月24日に開催。コロナ対策に活用できるモノやアプリケーションを提案するグッズ部門と社会の仕組みや行楽地でのルールを提案するライフスタイル部門の2部門に学内から計69件の応募があり、書類審査を通過した13件から最優秀賞、各部門の優秀賞の計3件が選ばれました。ピンチをものづくりのチャンスに変えようという意欲にあふれた作品を紹介します。ロボット工学科4年林 海斗さん学生食堂の3密を回避 「最新」より「最適」を選択提案者はやし・かいと特 集 最優秀賞おもしろアイデアがたくさん!混雑状況がリアルタイムに表示される食堂出入口に設置する人感センサー特別賞受賞作品 グッズ部門①超コンパクトマスク/「ミウラ折り」によるコンパクトでお洒落なマスク②おおきに~なに見えた?~/自動化に加え楽しい仕掛けで素通りされない消毒液③Timetable for OIT/オンライン学修をより快適にするOIT専用アプリ④パーセン疎/「密」ではなく「疎」に注目したアプリ⑤あらいさん。/手洗い時間30秒を測るポンプ式せっけん ライフスタイル部門 ⑥Baggage-to-BaggageTravel/感染リスクを抑えて、観光・行楽を楽しみながら現地の活性化を促進⑦課題提出アプリ/オンライン授業で課題提出を簡単にするアプリ⑧次のマナーは心遣い「ソーシャルコンパッション」/コロナ禍でも心配りができる社会⑨サーモグラフィカメラを搭載したスマートフォン/体温、心拍数、エネルギー消費量を同時に調べる健康チェック⑩横に手を入れアルコール消毒をしないと開かない鍵/半強制によるアルコール消毒。指紋認証で防犯能力も向上①②⑧⑥07FLOW | No.91 | January, 2021.菜の花食堂混雑状況確認アプリ(web)の人表紙
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