中で生きているといった事実に目を向けて成長してもらいたいです。井上■自身を律することや、時間の有効な使い方、予測困難な時代をしなやかに生き抜くカをつけてほしいです。また、特に工大生としてはAIやICTを活用したものづくり手法を考えるチャンスにもなるはずです。今後に活用できるオンライン授業で培った技術――各大学ならではという特徴的な取り組みはありましたか?笛吹■広島国際大は医療系ということで福祉施設や病院などの利用者を相手にする職業に就く学生が多いです。そのため教員が感染症対策についてのビデオ教材を作成し、授業の中で自身が感染源とならないことの大切さを伝えました。学生の意識も高まり、これまでとは違う学生が育つのではと期待しています。伊藤■摂南大学長は、コロナ禍で培ったICT技術をAfter コロナ時代の対面授業に生かすように教員に強調しています。具体的には、オンライン授業用に作成した動画教材による反転授業や事前学習、Moodleによる小テストの実施・採点、課題の回収の自動化、Teamsによるアンケートや小テスト作成などの資産を活用することです。井上■先にも述べましたように大阪工大は早期に実験・実習の対面授業を再開しました。後期の対面授業に生かせる前期のオンライン授業での取り組みについて教員にアンケートを取り、11月に開いたオンデマンドでのFD(Faculty Development)セミナーで3人の先生に参考になる取り組みを発表してもらいました。未完成ノートによる板書型オンライン授業や携帯電話を使った授業支援システム「Cラーニング」、オンライン反転授業などで、全教員に共有しました。少人数化のクラス分けや座席指定実習先の確保・調整には課題も――対面授業を再開し、感染対策など工夫していることなどを教え てください。また病院や企業での実習の課題はありますか?笛吹■広島国際大では、座席表の作成、座席指定、2クラスに分けての授業、オンラインと対面授業の交互実施などを行っています。実習科目はオンラインでは教育に限界があり、対面の重要性を痛感しました。対面での実習にあたっては、普段からの体調管理とともに、クラス分け、時間帯や日にちの分割で少人数化を図っています。また、病院や施設などの実習にあたっては、学内での感染者を出さないように細心の注意、指導を行っています。新たな実習施設の開拓に苦労をしており、自前の施設や提携病院などの必要性を感じています。伊藤■対面授業の実施では摂南大も、マスク着用、アルコール消毒など基本的なことを徹底しています。また、収容定員に余裕のある教室を配当し、原則座席指定で授業を実施していますが、今後、完全対面授業に移行していく中で教室の確保は大きな課題です。ウェブカメラなどを購入して、授業のリアルタイム配信ができるよう対策を進めていますが、オンライン授業に対応した教室のAV機器の整備は喫緊の課題です。病院や企業での実習の課題は、学生自身がウイルスを実習先に持ち込まないことが大切で、実習予定の学生には早い段階でアルバイト、カラオケと会食を禁止し、体調と行動を記録するなどの制限をかけました。また感染者が増えてきて、少しずつ受け入れを中止する病院が増えています。05FLOW | No.91 | January, 2021授業風景・広島国際大就職相談・大阪工大
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