常翔学園FLOW90号
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陸上競技部常翔啓光学園高校自ら考え、行動する主体的な練習で更なる高みを目指す 他の運動部とグラウンドを共有しながら練習に励む常翔啓光学園高陸上競技部。場所に加え、コロナ禍で練習時間にも制約がある中、自己ベストを更新する部員も多いと言います。部長の山下項羽さん(2年)、副部長の吉開光紀さん(同)、顧問の植木陽治教諭に、その秘訣について伺いました。部長の山下さん副部長の吉開さん顧問の植木教諭YouTubeで動画配信中!VIVID CLUB― 普段の活動について聞かせてください。山下/毎週月曜日から金曜日は16時15分、土曜日は13時30分から、約2時間練習をしています。主に学校のグラウンドで練習していますが、他の運動部と共有しているため限られたスペースの中で工夫しつつ、枚方市立陸上競技場などでも練習しています。吉開/部員は、2年生が13人、1年生が5人で、マネジャーが1人います。ウォーミングアップを終えたら短距離チームと長距離チームに分かれ、練習します。幅跳びなどのフィールド種目の部員は、短距離チームです。― 部の特長やモットーを教えてください。山下/部員の仲が良い、という一言に尽きます。学年の壁もほとんどなく明るく風通しの良い雰囲気で練習しています。また、個性豊かなメンバーがそろっているので一緒にいて飽きることがありません。吉開/顧問の先生との距離が近いことも特長です。植木先生は、体のケアのことも詳しく教えてくださいますし、お願いしたら㆒緒に走ってくださいます。植木/部員らの願いに応え、身近な存在でいることを心掛けるとともに、逐㆒指示を出したりせず、部員の自主性を尊重しています。主体的な考えは工夫を生み、それによって結果も伴うからです。また、能動的な姿勢は将来必要なスキルになると考えています。― コロナ禍の影響を受け、感じたことはあ  りますか?吉開/仲間の存在の大きさです。休校期間中、自宅でトレーニングしていましたが、一人だと集中力が途切れました。共に切磋琢磨できる仲間の存在の大きさを実感しました。山下/僕は、大会のありがたみに気が付きました。春から夏にかけて大会の中止が相次いで目標を見失い、モチベーションが下がりました。秋以降は大会が実施されそうですので、そこへ照準を当てて練習しています。植木/部員らの主体性が発揮されたと感じています。私は特に指示しませんでしたが、部員らはさまざまな制約がかかる中でも工夫して自主練習に励んでいました。その結果、自己ベストを更新する部員も出ています。― 今後の目標について教えてください。吉開/長距離走者のリーダーとして、駅伝チームを強くしたいです。チームメートの個性を意識したコミュニケーションを取って団結力を高め、強豪ひしめく大阪府下の駅伝大会で上位にランクインすることが目標です。山下/部長として、まずは部員それぞれが記録を更新できるよう部全体の士気を高めたいです。そして大会では各種目で上位に入賞し「陸上競技部が強い」常翔啓光学園高の伝統を築いていきたいです。植木/陸上競技のスキル向上はもちろんですが、挨拶や報連相などをしっかり身につけられるように指導したいと思います。部員らが「3年間部活動に打ち込んで良かった」と胸を張って卒業できたら、こんなに嬉しいことはありません。顧問の植木教諭(後列左端)、川端健介教諭(同右端)と部員ら20November, 2020 | No.90 | FLOWながら力いっぱいの演奏でした。演奏を聴いた佐渡さんはニコニコしながらまず「吹奏楽の最高峰の曲で技術的にも難しいのによくさらっています。ソーシャル・ディスタンスを取りながらも、みんながよくまとまった演奏です。素晴らしかった」と講評。続いて「でも今日は更に一歩上を目指しましょう」と部員たちに呼び掛けると、熱心な佐渡ファンも多い部員たちは目を輝かせ、レッスンへの期待が高まっていきました。 換気休憩の後は、いよいよ佐渡さん自ら指揮棒を持ってのレッスンです。指揮台の目の前は左から右へとフルート、クラリネット、サックスの木管パートが並び、左後方はティンパニやビブラフォンなどパーカッションのパート、右後方はチューバ、ユーフォニウム、ファゴット、バスクラリネット、コントラバスなどの低音パート、正面後方には左から右にトランペットとトロンボーンが横一列に並んでいます。 最初に佐渡さんは「ソロも良かったですが、特に感心したのはバスクラリネット、サックス、チューバなどの低音楽器が安定していてメロディーでないのに音楽的に歌っていたこと。メロディーでなくても音に命を込めることはとても大事です」と再度演奏を評価しました。続いて楽譜を見ながら個別の楽器やパートごとに具体的な指導に入っていきました。「冒頭の3連符はティンパニだけなので、メゾフォルテの指定があってももっと音を出していい」「拍を意識しながら大空に飛び立つようにのびのびと」「同じメロディーを繰り返す時は2回目の方をより大事に」「わらべ歌のようなシンプルなメロディーが各楽器で現れる箇所では、遊びのように新しい変化を見つけていくように」「2拍子と3拍子が混ざった変拍子は不思議で怪しい雰囲気の景色を出そう」「音楽は2拍子と3拍子に分けられるが、方向性は全く違う。一方向に進む2拍子に対して、3拍子はくるくる回る」「打楽器だけでも歌を作ろう」「体の細胞を全部使って音楽を」「クライマックスはサーカスの綱渡りのよう。『綱から落ちるかもしれない』くらいのギリギリの速さで、テンポをもっと上げます」 大柄な佐渡さんの時に両手を広げたダイナミックな身振りとそのタクトに部員たちは魔法がかかったように引き込まれていきました。マウスシールドを付けながらですが、部員たちの目を真っすぐに見ながら的確な指示が飛びます。その言葉の一言も聞き漏らすまいと部員たちは更に集中。佐渡さんが指摘するたびに、その部分の演奏がどんどん生き生きとした音楽に変わっていきます。最後に佐渡さんは「音楽は1回限りのものです。目の前の空気が振動するのはたった1回。ミスして悔しかったり、うまくいってうれしかったり、それら全部を含めて1回きりのものだから、音楽はいとおしくて魅力があるのです」と部員たち一人一人に言い聞かせるように話しました。 そして仕上げは佐渡さんの指揮での通し演奏です。指摘されたことを忠実に、一音一音に命を込めます。部員たちの思いは一つになり、アルメニアン・ダンスに新たな息吹が吹き込まれたような演奏でした。特にクライマックスのアレグロの部分は、部員たちがそれまでの練習で挑戦したことのなかったまさに「綱渡り」のような速さになりましたが、全員が佐渡さんの指揮に必死に付いていき、破綻も見せない見事な演奏になりました。 演奏の興奮から冷めない部員たちに佐渡さんが「最後はよく付いてきてくれました。すごく良い演奏で、思い出に残る演奏になりました」と全員をねぎらうと、緊張から解放された部員たちには達成感の満ちた笑顔があふれました。 練習を終えて部長の馬場茉夕子さん(高校3年・クラリネット)は、「佐渡さんが振り始めた時から迫力がすごくて、どんどん引っ張られていきました」と話し、上林教諭は「クライマックスの速さにみんなが付いていったのは驚きでした。佐渡さんの指導ですごい集中力が生まれていました」と振り返りました。04November, 2020 | No.90 | FLOW 今年はコロナ禍で会場の合唱団に加え、動画投稿で合唱を作り上げます。詳しくは「サントリー1万人の第九」公式HPで。 特別番組は12月19日 16時~放送(総合司会:霜降り明星 粗品、司会:野嶋紗己子アナウンサー)。サントリー1万人の第九 38年目の”夢”プロジェクトInformationーお知らせー

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