常翔学園FLOW89号
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新理事長に西村泰志前大阪工大学長評議員会議長に新たに廣嶋耕一氏17FLOW | No.89 | August, 2020 この度、学校法人常翔学園理事長を拝命しました西村泰志です。これまで約30万人の卒業生を社会に送り出してきた学園の運営という重責を任され、ことに身の引き締まる思いです。就任にあたり、皆様にごあいさつを申し上げます。 学園は2022年に創立100周年を迎えます。私は1969年に大阪工大建築学科に入学以来、学生、大学院生、助手、講師、助教授、教授、そして学長として50年以上を大阪工大とともに生き、成長させていただきました。これからはその長年の恩返しとして学園の更なる飛躍に力を尽くしていきたいという思いです。 さて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックにより世界経済の行方が懸念され、ますます不確実な時代になっています。その一方で少子化は現実になり、大学入学者数の激減は確実な時代です。この難局を乗り切るために教職員の皆様の力を借りながら、久禮哲郎前理事長が敷かれてこられたさまざまな学園の改革路線を継続し、「J‐Vision22」にある「透明性の高い経営」と「魅力ある教育」の実現を目指してまいります。大学の質の向上と高大連携を強化 具体的に私がまず力を入れたいのは更なる大学の質の向上です。学生・生徒の学力、教員の教育力と特に大学の研究力の向上を実現することは、学生・生徒募集に直結するということを長年の教育現場の経験で身に染みて感じています。少子化だけでなく定員の厳前大廣嶋泰志た事長に西村評議員会議長に新理格管理も求められる厳しい状況で、THE世界大学ランキングに名前が載るような大学の質の向上が急務だと認識しています。そのためには3大学の大学院進学率の向上、留学生の受け入れや海外の大学との連携というグローバル化の推進も欠かせません。 もう一つは高大連携の強化です。設置2高校からの3大学への学園内進学者数を増大させたいと考えています。そのためには連携教育プログラムの改善や学園内大学の魅力を高校生や保護者らにアピールする取り組みを強化しなければいけません。 学園の健全な財政基盤構築のために削れるところは削るという支出削減の努力はもちろん続けていきますが、大学の質向上のためには最大限の資金の投入ができればと思います。校舎の耐震化など必要な箱モノへの支出は当然ですが、教育の中身の充実への支出を積極的に進めたいと考えています。 設置3大学、2中高ともそれぞれが特色を持ち、素晴らしい人材を抱えています。しかし、それを社会にアピールする努力がまだ足りません。学園創立100周年の各事業が進められていますが、そうした取り組みを通して常翔学園というブランドの確立も図ります。100周年が目前の歴史ある学園が、その先の125周年、150周年を無事に迎えられるかは自明のことではありません。この切実な危機感を教職員全体で共有し、生き残りをかけた改革に取り組んでまいります。関係者の皆様の一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。学校法人常翔学園理事長 西村 泰志危機感を共有し教育の質向上に全力学校法人常翔学園はこのほど、任期満了を迎えた理事と評議員を寄附行為などに基づき選任しました。新しい理事による理事会が7月20日に開催され、新理事長に大阪工大前学長の西村泰志理事を互選しました。また評議員会は6月25日に会合を開き、廣嶋耕一評議員を議長に互選しました。ごあいさつGAKUEN NEWSにしむら・やすし ●1973年大阪工業大学工学部建築学科卒。鹿島建設勤務を経て1976年同大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。同年大阪工業大学助手。講師、助教授を経て、1999年教授。八幡工学実験場長、学生部長などを歴任し、2013年工学部長兼工学研究科長。2014年同学科特任教授。2015年11月から2019年10月まで学長。2020年客員教授。2020年1月理事。2018年に鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁で構成されるハイブリッド構造の接合部の力の流れを理論化したことで日本建築学会賞(論文)受賞。博士(工学)京都大学。愛媛県出身。

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