13カ国・地域から13906人が参加した“書の甲子園”で知られる「第28回国際高校生選抜書展」の創作部門で、常翔啓光学園高の前畑柾胡さん(2年)が2年連続で入選し、1月28日~2月2日、大阪市立美術館(天王寺区)で作品が展示されました。母親に勧められ幼稚園の年長のころから地元の書道教室に通い始めた前畑さんは、同校の書道部にも所属し日々練習に励んでいます。入選作品のテーマは「拳(こぶし)」。力強い筆で無心に書き上げました。2度目の入選に前畑さんは「今年は入賞したかったので、正直、悔しいです。高校最後となる来年は賞を取れるように頑張りたい」と更なる高みを目指しています。前畑さんが“書の甲子園”で2年連続入選12月9日、情報ネットワーク学科のインテリジェント情報通信システム研究室チームが「第21回キャンパスベンチャーグランプリ大阪」で、中小企業基盤整備機構近畿本部長賞を受賞しました。同大会は、学生起業家の登竜門として知られています。チームは、クリエイターを支援するサービス「なげせり」を提案。ライブ配信サービスとネットオークションを連携させたもので、クリエイターがライブ配信を通じて視聴者とやり取りしながら作品を制作でき、視聴者がライブ配信中に「投げ銭」として金銭を送金できるシステムを採用しています。完成した作品をオークション形式で出品でき、投げ銭はオークションの支払いにも活用できます。新事業の内容決定までに4人は、約3カ月間ブレインストーミングを重ねました。出し合ったアイディアは100近くにのぼります。メンバーは「苦労した分、受賞の喜びも大きかったです。他大学の提案を見て良い刺激を受けました。来年度も出場し、さらに上のレベルを目指します」と意気込んでいます。大阪工大の学生チームが“学生起業家の登竜門”大会で特別賞受賞骨密度の測定を受ける呉高校野球部員ら入選作品「拳(こぶし)」を前に表彰ボードを手にするメンバー12月27日、広島国際大呉キャンパスで、呉市立呉高校の硬式野球部員を対象とした身体測定を実施しました。これは、同部員の体力強化および健康増進に必要な生活習慣の確立を目的に昨年度同校と締結した覚書に基づくもので、骨密度や部位別筋肉量などを測定し、今後のパフォーマンス向上に生かすための取り組みです。将来的には同校全体に波及させることも視野に入れています。参加した部員からは「自分の筋肉量など普段知る機会のない数値を知ることができありがたかった」「投打には筋肉量が大切であることを学びました。試合に生かしたいです」という感想がありました。広島国際大医療栄養学科の学生が高校球児をサポート 広島国際大リハビリテーション支援学科義肢装具学専攻の学生が立ち上げた、東広島市内の病院や福祉施設などで車椅子をメンテナンスする団体「ROW (Repair Of Wheelchair)」の活動がスタートしました。同団体の活動は東広島市による「学生チャレンジ活動応援補助金」にも採択されています。「商業施設などで故障したままの車椅子を利用している方を見かけ、なんとかしたいと思いました」と語る発起人の内田智子さん(2年)。友人らと同市内の各施設を調査すると、十分に整備されていない車椅子が多くある実態を知り、大学で学んだ知識や技術を生かして車椅子の出張メンテナンスを実施しようとROWを設立しました。最も多くメンテナンスをするのはブレーキの部分。転倒など大きな事故につながる危険があるため、入念にチェックします。また、座面の歪みは利用者のお尻の位置がずれ、褥瘡が発生する原因になるため、ネジの緩みにも留意しています。広報担当の市川陽菜さん(同)は「ROWの活動を通して、いろんな人に車椅子へ関心や興味を持ってもらいたい」と話します。今後は、施設で働く職員の方に修理方法をレクチャーしたり、マニュアルを作成し配付することも検討しています。同団体は、車椅子利用者が安全で快適に暮らせる環境づくりを目指します。学生団体「ROW」が活動開始 車椅子を出張メンテナンスタイヤの空気圧を確認じょく そう車椅子のブレーキ部分を修理する学生22February, 2020 | No.87 | FLOWYouTubeで動画配信中!06February, 2020 | No.87 | FLOW巻頭特集立岡 准弥さん広島国際大学 保健医療学部 救急救命学科 進学たておか・じゅんや常翔学園高校3年(文理進学コース)2020新卒生からの「エール」 高校生活では、学校行事と部活動の経験から学んだことが大きいと言う立岡さん。音楽公演を通じて教育活動を行う米国の団体「ヤングアメリカンズ」のメンバーと歌やダンスのショーを作り上げ披露するプログラム「ミュージック・アウトリーチ」では、ホストファミリーとして同世代の外国人と5日間生活を共にしました。会話はスマートフォンの翻訳機能と片言の英語、ジェスチャーでしたが「お互いの意思をくみ取り会話できたことがうれしかった」と振り返ります。 部活動はサッカー部に所属。幼稚園からサッカーを続けてきましたが、部員数が多くポジション争いも熾烈だったため、入部した際に「試合に出場すること」を目標とし、特に筋トレやスタミナ向上に注力。結果、2年生の3学期から試合に出場できるようになりました。時間をかけて努力を積み重ねることの大切さを学んだと言います。教科書にはない大切なことを学んだ3年間学校生活で育てた野菜について語る大澤さん 立岡さんが将来を考えるきっかけとなったのは、部活動の夏合宿中に仲間の1人が目の前で倒れるという経験でした。助けてあげたいのに何もできない自分に歯がゆさを覚えました。立岡さんはこの経験から「救急医療を学び、命の危機を救える人になりたい」と思うようになり、広島国際大救急救命学科への進学を目指しました。大学には救急車を忠実に再現した車両があるため、実際の現場を想定した救急搬送などを学びたいと意気込んでいます。 将来は、誰からも信頼される救急救命士になりたいと言う立岡さん。高校生活を振り返って後輩に「座学も大切ですが、学校行事や部活動から得ることもたくさんあります。その経験は自分の糧になるので、全力で取り組んでほしいです」とエールを送ってくれました。大澤 乃葵さん摂南大学 農学部 農業生産学科 進学常翔啓光学園高校3年(K特進選抜コース 理系)おおさわ・のあ中高の6年間を常翔啓光学園で過ごした大澤さんにとって、最も思い入れのある場所は校庭にある農園です。レタスやキャベツなどさまざまな野菜を育てて収穫しました。 農業への道を目指すようになったのは中学生のころです。技術の授業で、じゃがいもなどを育て収穫するうち、農作の楽しさに魅了されました。いろんな農作物を育てたいと思い、高校生になってから先生へ直談判。校庭の一角を間借りする形で友人とともに野菜作りをスタートさせました。苦労したのは雑草対策です。友人と交代で毎日、登校と下校の際に草むしりを行うのが日課でした。汗を拭いながら作業をする姿を大変に思ったのか、部活動中の生徒たちが手伝ってくれたこともありました。「お願いしたわけでもないのに協力してくれて、本当にうれしかったです」と振り返ります。それが縁で、修学旅行でメンバーが不在になる時は水やりをお願いするなど協力し合える関係が築けました。学校生活6年間の収穫は、人とのつながり 摂南大へ進学を決めたのは、“スマート農業”が学べるという点に惹かれたためです。ICTやIоT技術を取り入れた最先端の農業生産手法について学び、生産した各地域の特産野菜を広くPRするなど「新しい農業の担い手として日本の農業を盛り上げていきたい」と夢を語ります。 学校生活を振り返り、大澤さんはいろんな野菜を育てて収穫したこと以上に、それまでかかわることのなかった生徒と交流できたことが一番思い出深いと言います。そんな大澤さんだけに後輩への「身近な人とのつながりを大切にして学校生活を送ってください」というエールにも実感がこもります。
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