常翔学園 FLOW No.85
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北村 はじめまして。今日はよろしくお願いします。私たちは平日の昼休みに約15分間の「常翔アフタヌーン スマイルステーション」というタイトルの校内放送をしています。音楽を流す以外に何人かでトークをするのですが、笑い声が特に大きくなってしまうのが気になります。どうしたらいいですか?古川 私は「笑い声がうるさい」と苦情のメールをいただくことがあります。だから素で笑う時よりは控えめに笑ったり、瞬間的にマイクから少し離れるようなこともします。でも笑わないのはつまらないし、効果音的な役割もあります。玉巻 笑うことはそんなに悪いことではないですよね。でもそうした笑い声に対する自覚があること自体は素晴らしいですね。中辻 私たちは合唱祭やオープンスクール、体育祭など学校行事の司会進行(MC)も担当しますが、シナリオ通りにいかないことも多く、アドリブでつなげることもあります。そんな時の間の持たせ方を教えてください。玉巻 イベントならばあらかじめお知らせしたいことの載ったチラシを何枚か持っておいて、困ったらこれを言おうと準備します。古川 前の出し物を振り返って、「どうでした?」などと客席とコミュニケーションを取りながら間を持たせるという方法もいいですよ。関西弁から標準語への切り替えスイッチを中辻 ドラマを撮影している時などに関西弁がどうしてもポロっと出てしまい、撮り直しすることがあります。大阪ご出身のお二人ですが、関西弁と標準語で苦労することはありますか?古川 関西弁から標準語への切り替えは気合ですね。ニュースなどの原稿を読む時は、自分の中でパッと標準語のスイッチを入れます。私は親が関西出身ではなかったので、子供のころは母親とは標準語、友達とは関西弁という使い分けをしてきたからスイッチのオン・オフには慣れているのかもしれません。自分でコントロールできることが大事で、今日は標準語だけで話そうというような訓練を放送部のなかでやってみたらどうですか。玉巻 関西弁と標準語を上手に使い分けているアナウンサーは多いと感じます。私も相手が緊張しているなと思った時は、あえて関西弁で話し掛けたりします。癖なく素直な話し方 マイクに頼らない意識北村 私たちはドラマ制作の活動が多く、アナウンスの訓練は不十分だなと思っています。どうやったらアナウンサーの皆さんのような話し方ができるようになりますか?古川 私はアナウンスのコンクールの審査員をやることもありますが、アナウンサーぽくやろうとしてわざとらしい話し方になる人がいます。実はアナウンサーは癖なく原稿を読んでいます。素直な話し方が一番大事ですね。玉巻 入社して研修の時はテレビニュースをよく聴くことからやりました。好きな話し方のアナウンサーを真似して練習しました。古川 現代はインターネットでもニュースの動画と字幕が出るので、昔のように録画してテープ起こしするような手間もかけずに簡単に練習できます。北村 私たちはラジオドラマを年間5~6本、テレビドラマを2本制作していて、その中で女子の声がマイクに入りやすいのに、男子の声は入りにくく苦労します。プロは声の調子をどうやって調整しているのですか?多くの人に見てもらえるアナウンサー喜びは大きいが、批判を受ける覚悟も 常翔学園の設置学校に在籍する学生、生徒、教職員が各界の“一流人”と語り合う「クロストーク」。第3回は常翔学園高3年で放送部部長の中辻まなみさんと部員の北村莉咲さんの2人が、大阪の毎日放送(MBS)のアナウンサー、古川圭子さんと玉巻映美さんにアナウンスについての疑問やその面白さなどを聞きました。 同高放送部は先月、NHK杯全国高校放送コンテスト(創作テレビドラマ部門)に大阪府代表として初出場したばかりです。毎日放送本社を訪れた2人は、日ごろのドラマ制作やアナウンス活動で気になっていたことについて、プロならではのアドバイスをもらいました。(18ページに関連記事) 07FLOW | No.85 | August, 201903×毎日放送(MBS)アナウンサー古川 圭子さんふるかわ・けいこ毎日放送(MBS)アナウンサー玉巻 映美さんたままき・えいみ常翔学園高校3年 放送部部長中辻 まなみさんなかつじ・まなみ常翔学園高校3年 放送部部員北村 莉咲さんきたむら ・ りさ福祉施設で学びながら働ける「まな・はたプロジェクト」が2020年度にスタート広島国際大が5月24日、社会福祉法人広島常光福祉会と「まな・はたプロジェクト」に関する連携協定を締結しました。このプロジェクトは同大の医療福祉学科で学びながら、同会の正職員として働くことが最大の特長。4年間の学費と同額で最大8年間の在籍を認める同大学の長期履修制度と、同会が福祉業界で初めて導入した週休3日制などのメリットを活用。労働人口の減少や若者の福祉離れといった課JOSHO TOPICS川島裕弘さん(大阪工大建築・都市デザイン工学専攻博士前期課程1年)が、第50回毎日・DAS学生デザイン賞(大学生の部)で建築部門賞を受賞しました。同賞は、大学生や専門学校生が感性と創造力を競うもので、建築部門のほか、グラフィック部門や空間デザイン部門などがあります。今回受賞した作品は、川島さんが学部卒業時に卒業設計作品として制作したもので、作品名は「滲む境界~混在的都市創出による都市更新の提案」。これからの社会が外国人労働者を多く受け入れることを前提に都市の在り方を再構築してみせたもので、近未来的な優れた提案であることが受賞の決め手となりました。川島さんは「講評で自分の考えを評価され、自信がつきました。今回、受賞した『混在的都市』を実際に社会で提案できるよう、先進的な試みが行われているドイツに留学し、都市計画のプロセスを学ぶ予定です」と喜びと今後の目標を語ってくれました。なお、本作品は、日本建築学会近畿支部や、日本建築家川島さんが毎日・DAS学生デザイン賞(大学生の部)建築部門賞を受賞調印を終えた焼廣益秀広島国際大学長(左)と柿木田勇広島常光福祉会理事長題へのアプローチとなります。また、経済的な理由により進学をあきらめる若者や社会人の学び直しの支援を目的としています。主に進学と就職を同時にスタートする方が対象ですが、既に就職中の進学希望者や進学後の就職希望者も対象とします。募集開始は今年度の就職試験及び入学試験から。新しい学び方、働き方に大きな期待が寄せられます。川上村木匠塾(塾長:寺地洋之大阪工大建築学科教授)は5月30日、日本建築学会から建築教育の発展に貢献した著しく優れた教育プログラムや教材を対象とする「日本建築学会教育賞(教育貢献)」を受賞しました。同塾は1998年に発足。現在は、大阪工大(1999年から参加)を含む近畿圏内の建築や住環境系学科を有する5大学で組織し、摂南大も2004年から9年間参加していました。吉野林業発祥の地である奈良県川上村を拠点に間伐や皮むきなどの林業体験、間伐材を使った創作活動と補修作業を村民や林業関係者と交流を深めながら行っています。発足当時、実地でのアクティブ・ラーニングやPBL(課題解決型学習)を行う教育機関はまだ少なく、先進的な取り組みでした。昨年開塾20周年を迎え、修了生の延べ人数は1400人を超えています。また、20周年を機に修了生による「川上木匠会」を設立。川上産吉野材の販売や普及を促進し、川上村、5大学、企業が相互に連携する新たな林業ビジネスのシステム化を目指しています。寺地教授は、「長年の教育活動の成果が評価されました。ものづくりを通じた実践的な学びにより、学生は大きく成長します。今回の受賞を糧に、地域経済の活性化も見据えて活動の密度を更に高めていきたい」と受賞の喜びと抱負を語りました。川上村木匠塾が「日本建築学会教育賞(教育貢献)」を受賞受賞作品「滲む境界~混在的都市創出による都市更新の提案」協会近畿支部主催の卒業設計コンクールにも入選し、各方面から高く評価されています。毎年約80人の学生が参加し、村にも活気が生まれる薪小屋の壁柱の積層工事を行う19FLOW | No.85 | August, 2019

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