常翔学園 FLOW No.85
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米国での海外勤務を転機にねじ締め装置のプロとして世界を駆ける ふるさと京都府綾部市の地域密着型企業日東精工に入社し、米国での4年半の海外勤務を経て、今年から同社の海外販売全体を統括する小雲康弘さんは、大阪工大電気工学科(現:電気電子システム工学科)の卒業生です。直径が0.6ミリの、米つぶにも満たない極小ねじやねじ締めロボットなどの自動化設備を手掛ける工業用ねじの大手メーカーで、小雲さんはそんなものづくりの技術者からスタート。今は大きな視野で一つでも多くの取引相手国を開拓しようと広い世界を舞台に活躍しています。 旧国鉄の運転士だった父の影響もあり、小雲さんは子供のころから機械に興味を持っていました。ものづくりに携わりたいと進学した大阪工大では、コンピューターを使った意思決定手法「階層分析法」を研究しました。学生生活での一番の思い出は軟式庭球部の活動です。軟式テニスは高校から始めましたが、大阪工大での練習は想像以上にハードでした。3年生の時には8部リーグ制の5部から4部への昇格を果たすとともに、副キャプテンを務めました。 そんな小雲さんが大学卒業後に選んだ就職先はふるさとの企業で親しみもあった日東精工でした。ものづくりに欠かせない9万種類もの工業用ねじから、ねじ締め機までを手掛けるねじのエキスパート企業です。入社後、自動ねじ締め機、ねじ締めロボットなどの生産を手掛ける産機事業部に配属され、当初の2年間は電気組み立てを、その後は電気設計を担当しました。「お客様のオーダーに対応したねじ締め機のシステムや機械の調整では苦労も多いですが、うまく動いた瞬間はうれしく達成感があります」とものづくりの醍醐味を話します。 大きな転機は、2005年から4年半の米国での海外勤務と振り返る小雲さん。もともと海外へのあこがれはありましたが、英語が話せない自分にそのチャンスが巡ってくるとは思っていませんでした。思いがけない会社からのオファーに「家族にも相談せずに二つ返事で『行きます』と答えていました」と笑います。赴任先はミシガン州の現地法人で、主に日系企業を相手に技術支援、営業を行いました。日本人は社長と小雲さんの2人だけで、赴任当初は現地の米国人従業員らを相手に身ぶり手ぶりでのコミュニケーションで苦労しましたが、3年目には英語の会話ができるようになり仕事も充実しました。「カルチャーショックを受けた米国生活では、日本人の働きすぎなどの見直すべき点を認識しましたが、一方できっちりと計画どおりに実行する勤勉さ、真面目さといった日本人の素晴らしさも改めて実感できました」と振り返ります。 今でも2カ月に1回は海外に出張するという小雲さん。海外で仕事をする上での信条は「スピードが求められるので、素早い対応で信頼を得ることです。また、日本人特有のあいまいな表現は通用しないので、明確な意思表示を行っています」と話します。現在は、今後有望なインド市場などの新規開拓を担当しています。「誰もやったことのない仕事はやりがいがあります。趣味と実益を兼ねて楽しんでいますよ」と笑顔で話します。 パイオニア精神とチャレンジ精神に満ちあふれた小雲さんだけに後輩たちには、「多くの人に出会って、いろいろな考え方に触れて、自分自身を見直す機会を作って欲しい。断ることは簡単ですが、まずは受けて、人とのつながりや世界の広がりを持ってください」と実感のこもったアドバイスを送ってくれました。ねじ締め機を手に小雲 康弘 さん日東精工 執行役員兼海外推進部 部長 兼産機事業部海外販売部 部長■ おぐも・やすひろ 1989年大阪工業大学工学部電気工学科(現:電気電子システム工学科)卒。同年日東精工入社。産機事業部に配属され、組み立て、設計を担当した後、2005年に米国の現地法人に赴任、2019年から現職。京都府出身。01FLOW | No.85 | August, 2019巻頭特集活躍する卒業生巻頭特集常翔100周年世代新入生100人の顔WELCOME!WELCOME!4月3日から6日にかけて行われた設置各学校の入学(宣誓)式の様子をお届けします。入学(宣誓)式レポート摂南大学4 /3(Wed.)1824人大阪城ホール広島国際大学4 /4(Thu.)845人東広島キャンパス講堂大阪工業大学4 /5(Fri.)2022人大宮キャンパス総合体育館常翔学園中学校・高等学校4 /6(Sat.)742人大宮キャンパス総合体育館常翔啓光学園中学校・高等学校4 /6(Sat.)510人常翔啓光学園中高体育館 元号が平成から改まり、フレッシュな“令和”時代の新入生5943人が常翔学園設置各学校で希望に満ちた一歩を踏み出しました。在学中に学園創立100周年を迎えることになる初めての新入生たちです。 学園の歴史の大きな節目に向かって歩み始めた「Josho Centennial(常翔100周年)世代」の100人の顔を入学(宣誓)式で集めました。252019年(令和元年)5月25日 発行表紙広島国際大の学生ら70人が東広島キャンパスに完成したばかりの全天候型陸上競技場の人工芝に、鮮やかな「令和」の人文字を完成。ユニバーシティカラーに合わせたピンクの風船で新時代の到来を祝いました。Photo GalleryCAMPUS新時代の到来を祝う大宮キャンパスの「レストラン白馬」がリニューアルオープン4月8日、大宮キャンパスの「レストラン白馬」がリニューアルオープンしました。大阪工大と連携協定を結ぶ奈良県川上村の吉野杉材などを使った店内は明るい雰囲気で、食事はイタリアンをメインに提供。パティシエ手作りのドルチェも楽しめます。FLOW | No.85 | August, 2019FLOW84号(2019年5月25日発行)に掲載したニュースやトピックスをダイジェスト版で紹介します。詳しくは学園HPにデジタルパンフレット版を掲載していますので、ぜひご覧ください。https://www.josho.ac.jp/flow/DigestYouTubeで動画配信中!

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