常翔学園 FLOW No.84
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ジョン)スイムというツービートキックの効率的な泳法を体得し、自分でも驚くことに何kmでも楽に泳げるようになりました。初めてのトライアスロンは地元の広島県内の大会でオリンピックと同じ距離=*表=で、3時間10分ほどの記録でしたが、マラソンと比べてむしろ「短いなあ」という印象でした。私のような50代では短い距離でスピードを競うのはやっぱりしんどくて、もっと長い距離をとその後、台湾での大会でミドルというもっと長い距離に挑戦し、先月は同じ大会でアイアンマンディスタンスの226kmを完走しました。東京大会注目は男女混合リレー― 来年の東京オリンピックで注目されることや選手はいますか?山路 男女ともヨーロッパ勢の強さが目立ちます。残念ながらまだ日本は個人戦では世界でメダルを争えるほどのレベルにはなっていません。私個人としては女子の上田藍選手に出て欲しいですね。北京、ロンドン、リオデジャネイロと3大会連続でオリンピックに出場している第一人者ですが、もう35歳で若手の台頭もあって苦戦するかもしれません。ただ中高年としては応援したいです。また、東京大会では新種目として男女2人ずつの混合リレー(1人が9.7km)が実施されますが、リレーは日本人向きでどんなレースになるのか注目しています。― レースの見どころを教えてください。山路 オリンピック選手でも選手によってスイムが得意だったり、ランが得意だったりしますから、そのペース配分のバランスや選手同士の駆け引きで順位が入れ替わったりするのが面白いです。また、種目を転換するトランジションでの無駄のないシューズの履き替え、ウェアの着替えも見どころです。冬季五輪の新種目の動きもある冬のトライアスロン― ウィンタートライアスロンは日本ではあまり知られていませんが、どんな競技ですか?山路 冬の雪山でラン約5km、マウンテンバイク約7km、クロスカントリースキー約7kmで競います。2017年の夏、北海道サロマ湖でのウルトラマラソンに参加した際に、「次は80kmのクロスカントリースキーをやらないか」と勧められ、あまりやったことのなかったスキーを始めました。その冬、北海道のスキー場で3日間の集中トレーニングに参加し、2018年2月にオホーツク海沿岸の湧別町での80kmのクロスカントリースキー大会を10時間かかって完走しました。それがきっかっけでウィンタートライアスロンにも挑戦。今年2月にはイタリア・アジアーゴで開かれた世界大会「ITU世界ウィンタートライアスロン選手権」にエイジグループ50~54歳の日本代表として出場し、完走しました。初めて日の丸をつけての大会参加で、イタリアの人たちから歓声を受けて誇らしく感じました。また「ウィンタートライアスロンを冬季五輪の新種目に」という動きがあることも現地で知りました。既にそれを見越して選手養成のために若手を送り込んできている国もありました。2022年の北京大会ではオープン競技になることが決まっています。完走すればみんな英雄― 全国各地、世界各地でのマラソンやトライアスロンの大会に  参加されて競技以外に見えてくるものもありますか?山路 マラソンでは米国の伝統あるボストン・マラソンの130周年の記念大会に出場できた時は感動しました(参加資格は50~54歳男性で3時間30分以内の記録)。コースの景色の素晴らしさ以外に大会期間中は市民挙げて参加選手を歓迎してくれる雰囲気が最高です。日本では沖縄のNAHAマラソンの“おもてなし”の空気も好きです。地方の大会も多いのですが、人口減少や過疎化を肌で感じます。限界集落や廃村のなかを走ったり、大会運営のスタッフが高齢者ばかりだったりします。― トライアスロンは何歳まで続けますか?山路  トライアスロンは確かに「しんどい」という印象がありますが、今は記録より完走することを目指すようになって楽しくなりました。しかもトライアスロンは3種目で主に使う筋肉が違います。マラソンを長くやると足を痛めたりしますが、トライアスロンはバランスよく体を使うので、むしろ長く続けられて高齢者向きだとも思います。ハワイ島のコナで昨年開催された「アイアンマン世界選手権大会」で85歳の日本の稲田弘さんが完走しましたが、その良い例ですね。以前の大会で年配でベテランの参加者から「完走したらみんな英雄だよ」と言われた言葉が好きです。それを信条に私もずっと完走し続けたいです。*注【トライアスロン】 1974年に米国で競技大会が初開催された比較的新しいスポーツで、夏季オリンピックではシドニー大会(2000年)から正式競技に。オリンピックでは、スイム(水泳)1.5km、バイク(自転車ロードレース)40km、ラン(長距離走)10kmの、合計51.5kmで競う。男子のトップ選手は1時間45分ほどでゴールする。来年の東京大会(コースは港区のお台場海浜公園周辺)では男女の各個人戦のほかに新種目として男女混合リレー(男女各2人)が実施される。イタリアのウィンタートライアスロン選手権で学生に作業療法の指導をする山路教授10May, 2019 | No.84 | FLOW<トライアスロンの距離の主な種類>※各種類でもさまざまなバリエーションがある1234オリンピック=51.5km(スイム1.5km、バイク40km、ラン10km)スプリント=25.75km(スイム0.75km、バイク20km、ラン5km)ミドル=90~130km(スイム約2km、バイク70~100km、ラン約20km)アイアンマン=226km(スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km) 大阪工大硬式野球部が、近畿学生野球2019春季Ⅰ部リーグで66年(131季)ぶりに優勝を果たし、第68回全日本大学野球選手権大会に出場します。 同部は1950年に創部し、これまで優勝は創部3年目の1度だけ。Ⅲ部リーグに所属した低迷の時期もありましたが、雨天練習場を併設した「OITスタジアム」の完成など練習環境の充実で、2014年Ⅱ部で優勝し、Ⅰ部への復帰を果たしました。 今季は、シーズン前に全部員127人が参加した合宿で一体感を高めたり、勝率8割を目標にした20試合を超える練習試合を組むなど、勝ちにこだわる姿勢を身につけてリーグ戦に臨みました。その結果は9勝4敗。うち6試合が逆転勝ちという粘りの野球で優勝を手繰り寄せました。 主将の田中浩平さん(知的財産学科4年)は、「自分たちの野球をすれば必ず勝てると思っていました。優勝できて本当に嬉しい。大学選手権では今までやってきたことを信じて戦いたい」と健闘を誓いました。2014年秋季からチームを指揮する田中恵三監督(学園職員・大阪工大学生部)は、「これまで応援してくださった方々に恩返しができました。今季は選手主体でチームを作り“勝負強さ”をスローガンに戦いました」とシーズンを振り返りました。初戦は、6月10日午前9時、東京ドームで東京新大学野球連盟代表と対戦します。  2019年度から大阪工大ロボティクス&デザイン工学部で新しい学び「ものづくりデザイン思考実践演習Ⅰ」がスタートしました。この科目は3年次前期に開講される科目で、1・2年次で学んだデザイン思考と基礎知識・技術をベースに、実社会の課題解決を目指す授業です。学生は、グローバルや産学連携などの19プログラムの中から1つのプログラムを選択。前半の第1クォーターでの事前学習を経たのち、後半の第2クォーターでは現場で実践学修に取り組みます。後半の第2クォーターに開講される専門科目は同演習以外ないため、学生はおよそ3カ月間1つの学びに専念することになります。海外実習(海外協定校とのプロジェクトほか)や地域連携、産学連携の取り組みなど、多様な経験ができる新たな学びのスタイル。卒業研究や将来の進路にどのように生かされるか、学生たちの今後に期待が寄せられます。大阪工大ロボティクス & デザイン工学部に新しい学びがスタート学部の仲間と課題解決に取り組む学生ニューヨークにある企業を訪問した生徒ら 常翔学園中高と常翔啓光学園中高は3月12日~18日(5泊7日)、オリジナルの合同プログラム「グローバルチャレンジプログラムin NY」を初開講し、10人の生徒がニューヨークのマンハッタンでフィールドワークを行いました。本プログラムは、現地のグローバル企業や国連、大学などを訪問し、現地で活躍する日本人にインタビューを行い、将来海外の大学に留学したり、海外で働くことへの理解や関心を高めることを目的としています。 4月20日の報告会で生徒らは、「いろいろな言語が飛び交うことに驚くと同時に、英語は母国語が異なる人たちが意思疎通を図るためのツールであることを感じました」「グローバル社会とは、文化や風習、価値観の違いを受け入れ、互いに尊重し共存していく社会であり、将来自分が橋渡し役となって国と国とのつながりを強くする役割を果たしたい」と研修を振り返りました。グローバルチャレンジプログラムin NYを2中高で初開講大阪工大硬式野球部 66年ぶりリーグ優勝。初の大学選手権へ!優勝を決め、歓喜する選手ら14May, 2019 | No.84 | FLOW

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