常翔学園 FLOW No.83
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05FLOW | No.83 | March, 2019  3歳からクラシックのピアノ一筋で、コンクールで賞をもらうような腕前の宮内さんが建築家を目指すようになったのは高校1年の時でした。4歳上の姉の後を追いかけてピアノに打ち込んでいましたが、プロのピアニストを目指す姉とは別の道に挑戦したいと思うようになったのです。「それなら国公立大へ」と猛勉強の末、2年からは希望の国公立クラスに進みました。 手のけがを恐れて自転車すら乗ったことがなかったという宮内さん。「ピアノをやめたら視野が広がり、別の人生が始まりました」と振り返ります。もちろん音楽と縁を切ったわけではなく、吹奏楽部でピアノを担当しアンサンブルの醍醐味を味わったり、地元の神社の神楽で演奏する龍笛(横笛)を始めたり、むしろ音楽の幅が広がりました。やがて音楽ホールの音の響きや光の差し方の違いなどに興味を持っていた自分に気付くと、建築の道へ進みたいと思うように。そのために選んだのが兵庫県立大環境人間学科。建築の技術だけでなく、文化や環境を含めた広い学びのできる学科です。昨年12月4日の合格発表日には、担任の先生とパソコンで合格を確認。職員室だったので喜びを抑えていましたが、先生のガッツポーツで歓声に包まれました。「小論文や面接の対策に遅くまで付き合ってくれました。そんな先生と出会えたことが幸せでした」と話します。 将来は「ヨーロッパのオペラ劇場のような歴史に残る建築物の設計に携わりたい」と夢を語る宮内さん。後輩には「信頼できる先生を見つけて頼ってください。そんな先生が大勢います」と啓光愛溢れるアドバイスをくれました。歴史に残るような建築物の設計に携わりたい宮内 智香さん■ 兵庫県立大学 環境人間学部 環境人間学科 進学常翔啓光学園高校3年(国公立理系クラス)みやうち・ともか  イラストを描く母親の影響もあり、アニメやゲームが好きで、パソコンに興味のあった日下部さんが高校入学後に選んだのはコンピュータ部。同期は13人で同部史上最多の人数でした。その仲間とは体験入部の時から意気投合。「週に2日、仲間と部室で過ごす時間が最高に楽しかったです」と話します。小さなころから本好きで、小学校時代には小説を書くまでに。これまでさまざまな小説を書き、頭の中で物語を考えるのが好きと言う日下部さんは、3年で同部の部長を務め、文化祭では上映する映像作品のストーリー制作も担当しました。「お客さんから楽しいと言ってもらえたことがうれしかった」と振り返ります。 内部進学する大阪工大の知的財産学科は、1、2年の時の大学体験授業で一番印象に残った学科でした。東京オリンピックのロゴ騒動などで著作権にも関心を持っていた日下部さんは、「この分野は廃れることはない」と思い、同学科への進学を決意しました。 実は高校2年の時に学校でスマホを取り上げられた苦い経験があります。「ゲームもできなくなりショックでした。ところがなくなってみるとそれほど不便ではないことに気付きました。かえって勉強に集中できて成績が伸び、内部進学につながりました」と照れながら話します。 将来は、出版社の編集者になりたいと夢を語る日下部さん。小説も書く表現者の一人だからこそ「自分の作品が権利侵害されたら悲しい。表現者の権利を守りたい」と意欲的です。後輩へは、「楽しいことは現実逃避でやるのではなく、やるべきことをやってから楽しむのが大切」と実体験に基づいたアドバイスをくれました。仲間と部室で過ごす時間が最高に楽しかった日下部 桜汰さん■ 大阪工業大学 知的財産学部 知的財産学科 進学常翔啓光学園高校3年(私立文系クラス)くさかべ・おうた巻頭特集新卒生からの「エール」YELL2019

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