常翔学園 FLOW No.83
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01FLOW | No.83 | March, 2019巻頭特集新卒生からの「エール」今春、学園全体で約5900人が卒業・修了し、それぞれが選んだ道を歩み始めます。新たな世界に羽ばたいていく先輩から後輩たちへ心からの「エール」を送ってもらいました。  「一度決めたことは投げ出さない」をモットーにする梶田さんは、専門分野の勉強、軟式庭球部、知財推進部、アルバイトと6年間をほとんど休みなしに駆け抜けてきました。この“やり遂げる力”を武器に知的財産を扱うプロとして、春から社会人の第一歩を踏み出します。  漠然と大学進学を考えていた梶田さんが知的財産学部を選んだのは、高校の先生からの「日本で唯一の学部に行ってみないか?」という一言がきっかけでした。文系でしたが数学が得意で「文理融合型の学問が自分に向いているのでは」と入学した梶田さんでしたが、最初のガイダンスで一つの特許が企業経営を大きく左右するという話を聞き、知的財産の力や可能性に更に興味が湧いたと言います。「専門知識を身につけることで幅広い業界で働くことができ、理系の研究者や技術者と一緒にものづくりをすることができる点に惹かれました」と振り返ります。 学生の時にしか積めない経験や人間力を磨くために学部時代は勉強だけでなく、課外活動では軟式庭球部と知財推進部に所属し、アルバイトでは飲食業と月曜から日曜までほとんど休みなしの毎日を過ごしました。中学から始めた軟式テニスは、ダブルスの後衛が専門で長身を生かした高い打点から放たれる鋭いサーブが特長です。「普段の生活から客観的な視点を持つように心掛けているので、試合の流れを冷静に分析してゲームメークできる後衛が自分に合っているんです」とポジションの醍醐味を語ります。知財推進部では授業で学んだことを生かし、地域の人や企業に知的財産のことを知ってもらう啓発活動に取り組みました。また、知的財産の資格取得にも積極的に挑戦した梶田さんは、実家がある兵庫県太子町からの往復4時間の通学時間や授業の空き時間も勉強にあて、学部2年の時に知的財産管理技能検定3級と2級の国家試験にそれぞれ一発で合格を果たしました。 知的財産の学びを深める中でメーカーの知財職への就職を希望するようになった梶田さんは、より専門的な知識を身につけるために大学院に進学。パッケージや店舗の外観・内装など商品・サービスの総合的なイメージ「トレードドレス」という最新の知財テーマの研究に取り組みながら、国際特許事務所での短期インターンシップも経験。「特許事務所では、企業の開発した商品や技術の権利化業務を担当することができました。企業から託される責任の重さを肌で感じると同時に、教科書だけでは分からないリアルな課題に触れられて大きな刺激になり、知財職志望が更に高まりました」と話します。 4月からは大手化学メーカーの花王の研究開発部門で念願の知財職に就きます。グローバルな知財案件にも対応できるように、卒業までの時間は化学と英語の勉強にも力を入れています。「大企業で自分の力がどこまで通用し、どれだけ成長できるか楽しみで、将来は国際特許を多数保有する花王で知財戦略の要となりたいです」と希望を膨らませています。「学生のうちにしか挑戦できないことはたくさんあります。思いついたらすぐに行動に移すこと、簡単にあきらめずにやり遂げることが就職活動で大きな自信につながります」。大学生活の一日一日を全力でアタックしてきた梶田さんから後輩たちへエールです。勉強のかたわら軟式庭球部でも活躍大学生活で培った“やり遂げる力” で知財のプロとして新たな挑戦を梶田 広人さん■ 花王 内定大阪工業大学 専門職大学院 知的財産研究科 知的財産専攻 専門職学位課程2年YELL2019かじた・ひろと

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