常翔学園 FLOW No.83
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 男性だけの高野連に女性の目を田尾 一昨年から日本高校野球連盟(以下、高野連)の理事を務められていますが、女性理事が誕生したことでどんな変化が期待されているのですか?小笠原 以前、高校野球の出場チームの甲子園練習で、女子マネジャーがノックのボール渡しをするのが「危険だ」とされ、高野連に女子マネジャーがグラウンドから出されたこともあり、それが大きな批判を受けました。そんなこともあって男性ばかりの組織に女性の視点を入れようということになったのです。私と引っ越し大手のアートコーポレーション社長の寺田千代乃さんが理事として入りましたが、就任会見は驚くほどの大騒ぎでした。当時、選抜高校野球を主催する毎日新聞社の総合事業局長という立場で女性だったことが私が選ばれた理由です。その後、女子マネジャーの甲子園練習参加は一部認められました。女子マネジャーが入れるのはまだ人工芝の上までで土のグラウンドを踏めなかったり、学校指定の体操服着用を求められるなどの制限は今もあります。私はこういう制限は見直すべきだと思っています。ただ、女性理事だから女性としての意見をいつも求められるわけではありません。年4回の理事会(理事33人)は、毎回決めないといけないことが山積みです。女性理事といっても球児が安全に楽しく野球ができるように考えることが第一の仕事というのは男性理事と変わりありません。 試合決行判断のプレッシャー 雪のアルプススタンド 上田 甲子園の高校野球にはこれまでどうかかわってこられたのですか?小笠原 記者、デスク、支局長、総合事業局長、高野連の理事、いつの日か女子球児も甲子園のマウンドに正確なニュースを届ける新聞の使命は不変 常翔学園の設置学校に在籍する学生、生徒、教職員が各界の“一流人”と語り合う「クロストーク」の第2回は、長年毎日新聞社で経済記者として活躍し現在は同社大阪本社副代表と日本高校野球連盟初の女性理事という要職も務める小笠原敦子さんと、毎日新聞大阪本社紙面「キャンパる」で学生記者として活躍する3人の女子学生(大阪工大の田尾愛梨さん、摂南大の上田佳奈さん、田地瑞季さん)です。今月開幕する第91回選抜高等学校野球大会の準備が進む阪神甲子園球場を案内されて興奮気味の3人が、高校野球や甲子園、新聞記者の仕事、女性リーダーの役割などについて小笠原さんにインタビューしました。◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇11FLOW | No.83 | March, 2019毎日新聞社大阪本社副代表、日本高校野球連盟理事小笠原 敦子さん摂南大学 経済学科3年上田 佳奈さん大阪工業大学 知的財産学科3年田尾 愛梨さん摂南大学 経済学科3年田地 瑞季さん02おがさわら・あつこたお・あいりうえだ・かなたじ・みずき

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