2019年度 学長方針 科学技術の進展と人口減少社会の到来のもとで、大学教育を含めた日本の教育全体の転換が求められている。今、教育界においては、今年生まれたばかりの子供たちにどのような高等教育を準備するかという抜本的検討が始まっている。本学は2020年度の枚方キャンパスでの農学部設置準備、寝屋川キャンパスでの文系新学部設置計画、既存学部・大学院の革新に取り組んでいる。それも本学が中長期の課題に応える高等教育機関として存続するための基盤づくりである。組織改革だけでなく、教育・研究・社会貢献の方法・内容においても改革を進め、学外にも通用するブランドを形成し、更に一層「選ばれる大学」「魅力ある大学」になるよう努めなければならない。 2019年度は、「多様な側面から課題解決に取り組む総合大学への進化」をうたった第Ⅲ期中期目標・計画の第2年度である。教育・研究・社会貢献の全面にわたって、転換する時代にふさわしい自己革新を行い、学園創立100周年、本学創立50周年に向けて、本学のNEXT STAGEに向けた体制を整備する。主な施策●エビデンスに基づく「教育の質保証」と 「教育改革」●選ばれる大学、魅力ある大学になるための 「学生募集力の強化」と「大学ブランド力 の強化」●社会の要請に応えられる「研究体制の 整備と充実」●教職員・学生の「連携力強化」と地域的・ 国際的な「社会貢献活動の発展」●新学部開設に併せた「大学の発展・拡充」 と既存学部の「ブランド再構築」●「外部評価」「学生参加」による教学マネ ジメントの推進●「安全・安心・快適なキャンパスづくり」 と「働き方」「学び方」の検討(原文に基づき要約)2つのセンターを両輪に昨年は本学の教育改革が大きく進んだ年になりました。大学の基礎データの収集や分析を行う「IRセンター」と新しい教育手法の開発などを担う「教育イノベーションセンター」の2つの組織を両輪に、エビデンスに基づく「教育改革」や「教育の質保証」の取り組みを進めました。実績や効果をデータで示した説得力のある改革ができるようになって、1、2年生にはその教育効果が出てきています。私たちは今後とも学生全体の底上げという教育の質保証を目指していきます。もちろん飛び抜けた学生も増えています。昨年は文部科学省の留学支援制度「トビタテ! 留学JAPAN日本代表プログラム」に2人が選ばれて、1人はブレークダンスを学びに米国に渡り、1人はヨーロッパで電動自転車e-bikeのフィールドワークに取り組みました。入学式の演出・運営でも多くの学生が協力、活躍しています。こうした学生が他の学生の「ロールモデル」として刺激になっていることも頼もしく感じます。「NEXT STAGE」が見える年に研究面では昨年、文理融合の「淀川水系研究センター」を立ち上げました。共同研究ができる学内組織が大学の一つのブランドに育つものと期待しています。開設まで1年となった枚方キャンパスの「農学部」は反響も大きく、国連サミットで採択された持続可能な未来社会の17の目標「SDGs」の推進をうたい、健康や医療とも連携した新しい農学部を作っていきます。更に寝屋川キャンパスの再開発と新基軸の教育実践を取り入れた社会学系の新学部構想も進めます。日本ペイント跡地整備、3、4号館の建て替え計画も具体化し、今年は本学の「NEXT STAGE」がはっきり見えてくる年です。志願状況も就職状況も好調ですが、少子化の中で楽観はできません。2つの新学部で大学の幅を広げつつ、「摂南大は学生を伸ばす」という教育力のブランドを定着させていきます。大阪万博開催の2025年に迎える創立50周年を見据えて改革に努めてまいりますので、これからも保護者、卒業生の皆様のご支援をお願い申し上げます。摂南大学学長 八木 紀一郎やぎ・きいちろう05FLOW | No.82 | January, 2019エビデンスに裏付けられた教育改革で「学生を伸ばす摂大」をブランドに注)農学部は設置構想中。設置計画は予定であり変更になる場合があります。巻 頭 特 集年 頭 所 感NewYear’s Message 2019
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