2019年度 学長方針大阪工業大学学長 西村 泰志にしむら・やすし 2019年度は、J-Vision22 に基づく中期目標・計画の最終期(第Ⅲ期)の2年目となる。 従来どおり、「建学の精神に基づく実践的教育の質的向上」をすべての活動の基幹とすることに変更はなく、建学の精神を具現化するという本学の姿勢は揺るがない。 大学の諸活動が不可分に連動し、相互強化する関係にあるという認識にも変更はない。 目指すべきは、目標・計画の遂行そのものではなく、本学が将来にわたって社会にとって必要な存在として存続することである。 18歳人口の減少によって、これまで日本の大学が立脚してきた基盤が崩れることは明らかである。従来の感覚で、将来の大学の在り方を想定することには危うさが伴う。また、時間の経過とともに、外的環境が厳しさを増し、打ち手が封じられていくことを考えれば、これからの4年間の持つ意味は大きい。 これまで本学がさまざまな取り組みによって自己変革を遂げてきたことは言うまでもないが、学園創立100周年の先に125周年を迎えられる基盤を形成するため、構成員各位に更に大きな挑戦をお願いしたい。主な施策●AP事業の推進●研究ブランディング事業の推進●大宮キャンパス再開発●入学者選抜及び学生募集にかかる戦略の 推進(原文に基づき要約)先進的研究者の多さ示したイノベーション・ジャパン2016年度に本学の卒業時における質保証の取り組みが、国の大学教育再生加速プログラム(AP)に関西の私立大で唯一選ばれました。2019年度はそのプログラム構築期間の最終年度で仕上げの年です。学生に基礎学力や基本的知識がなければイノベーションを生み出すこともできないわけで、今年は全学でこの取り組みを更に進めます。昨年の「全国240大学実就職率ランキング」(大学通信)で本学は全国4位(97.0%)でしたが、その背景にはこうした教育力の高さがあるのです。また研究力に関しては、昨年8月の「イノベーション・ジャパン2018」で本学の研究が全国最多の13件採択され、先進的な研究者が多いことを示しました。9月には独自に「イノベーションデイズ2018」を梅田キャンパスで開催し、200件超の研究・技術シーズを展示しました。今後もこうした研究力を発信する試みを強化します。教員の研究力を高めるためには、それを支える学生のレベルアップも不可欠で、全学で大学院への進学率向上の努力を進めます。 2021年にデータサイエンス学科を新設2021年に情報科学部に「データサイエンス学科」を新設することが決まりました。既存の学科は情報技術の開発者を養成する学科ですが、新学科は情報技術を使って価値を見いだすデータサイエンティストを養成します。情報人材が2030年に60万人不足すると予想され、社会の期待に応える学科新設です。また、開設3年目の梅田キャンパスの認知度を上げ、本学全体の発信拠点として活用を推進します。昨年同キャンパスに大阪商工会議所と共同設置した都心型オープンイノベーション拠点「Xport」では産官学民の連携が進み、学生が企業から出されるリアルな課題に取り組む場に育っています。地の利を生かした社会人向けの学び直しの拠点作りを目指します。今年は少子化時代に生き残るために2022年の学園創立100周年の先の125周年まで見据え、「選ばれる大学」として教育と研究の両面で飛躍する基盤固めの年にしたいと思います。保護者、卒業生の皆様の厚いご支援をお願い申し上げます。04January, 2019 | No.82 | FLOW教育力、研究力、発信力を高め創立100周年の先に飛躍する基礎固めを注)データサイエンス学科は設置構想中。設置計画は予定であり変更になる場合があります。巻 頭 特 集年 頭 所 感NewYear’s Message 2019
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