注)摂南大農学部・広島国際大健康スポーツ学部は設置構想中。設置計画は予定であり変更になる場合があります。在宅勤務やテレワークも視野に従来の課題に引き続き取り組むのはもちろんですが、今年は特に働き方改革を学園の大きなテーマに据え、教職員がやりがいの持てる職場環境の実現へ一歩踏み出す年にいたします。それが「選ばれる学校」「魅力ある学校」づくりなど、さまざまな課題解決にもつながるはずだからです。学園の生産性向上のために喫緊の課題で、既にプロジェクトを進めていますが、今年から本格的に取り組んでいきます。それにはまず教職員全員の意識改革が必要です。「今までの当たり前を当たり前と思わない」ということです。新しい職場を作るくらいの意識で、仕事の省力化、効率化、更に経費削減に取り組む必要があります。それによって職場環境が改善し収益も上がれば、教職員のやりがいの向上につながります。1つのキーワードは「ICT活用」です。テレワークや在宅勤務など多様な勤務・雇用形態を進める検討も始めます。働き方について意識、環境、制度の3つの面から改革を進めます。災害を契機に見えてきたICT活用の重要さ昨年は大阪北部地震や西日本豪雨など大きな自然災害に学園も対応を迫られました。特に広島国際大東広島キャンパスへの土砂流入などに適切に対応できたのは、日ごろからの教職員・学生の防災訓練などの準備があったからで、改めてその重要性を認識しました。今後も積極的に備え、自然災害をいたずらに恐れないで安全な学校運営に取り組んでいきます。また、広島国際大の豪雨被害への対応の中でICTの重要さを再認識しました。ICTを活用して学生が授業を自宅などでフォローできるよう環境整備を進めていきたいと思っています。災害時に公共交通機関が早めの運休措置を取る傾向も強まる中、遠隔授業などへの取り組みを更に各学校で進める必要があります。高校や塾とのコミュニケーションにICTを活用するデジタル・マーケティングの充実も進めてまいります。ワンステップ上がってきた研究力大学発の「知の見本市」である昨年8月の「イノベーション・ジャパン2018」で、大阪工大が全国最多の13件を出展、摂南大もエントリーの4件全てが採択されました。また、9月には大阪工大独自の「イノベーションデイズ2018」を梅田キャンパスで開催し、全学部から200件を超える研究・技術シーズの展示を行い注目を集めました。このように学園設置大学の研究力は確実にワンステップ上がってきたと確信しています。2025年の大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。そこでは大阪工大が得意なロボットと摂南大、広島国際大が専門とするヘルスケアというこれからの日本の2つの成長分野が主役となるはずです。万博には何らかの形で参加し、この2つの得意分野を中心に3大学の研究力を社会にアピールしていきます。梅田キャンパスを発信拠点に期待が大きな農学部と健康スポーツ学部大阪工大は梅田キャンパス整備も一段落つき、入試の偏差値も上昇してきています。更に存在感やブランド力を増すために、このキャンパスをキーに発信力を高めます。大宮キャンパスの工学部と知的財産学部、枚方キャンパスの情報科学部とも有機的に連携し、大学の研究力や教育力をアピールする舞台として梅田キャンパスを活用します。昨年は大阪商工会議所と都心型オープンイノベーション拠点「Xport(クロスポート)」を梅田キャンパスに共同開設し、参加企業も順調に増えています。大阪万博開催決定も追い風に、産官学民の知の交流からイノベーションの成果が生まれると期待しています。また、うめきた2期地区で大阪大医学部と医工連携した専門職大学院構想も進めていきます。摂南大は2020年の農学部開設に全力を尽くします。枚方キャンパスで新校舎建設も進んでおり、「食」や「ビジネス」の学科も加えた新しい農学部への社会の関心や期待が高まっています。近年の受験生の人気の高まりに合わせ、更に次のステップを目指します。まず寝屋川の新たなキャンパス整備です。日本ペイント跡地整備に加え、老朽化した3、4号館を建て替えてグローバル教育の拠点も整備、更に構想中の文系新学部校舎整備と続きます。2つの新学部ができると学生数が1万人を超える大規模総合大学への道が開けます。また、枚方市所在の関西医大、大阪歯科大、摂南大薬学部と新農学部、大阪工大(情報科学部)による医歯薬連携を進めていきます。昨年20周年を迎えた広島国際大は、2020年4月に3キャンパスを2キャンパスに集約する「ユニバーサルキャンパス構想」を学生のための改革として進め、更に充実した中身のある大学に変貌させます。急激な高齢化社会にあって、健康・医療・福祉の分野で多くの職業人を輩出してきましたが、2020年開設を目指す健康スポーツ学部はスポーツ科学という新しい領域にこれまでの実績を生かした大学の新しい目玉になります。東京オリンピック、パラリンピックでスポーツや健康への関心が高まるはずで、新学部の弾みにしていきます。大学進学実績の向上で常翔学園中高は大阪府下でも上位校に連なるポジションを占めるまでになっています。ラグビー部をはじめ各クラブも活躍しており、文武両道の学校という評価を高めていきます。設備充実としては、東隣の土地の新体育館建設に着手します。常翔啓光学園中高は学園設置大学への進学率が高まり、中高大連携の効果が上がっていることを示しています。それが中学、高校の受験生やその保護者へのアピールにもなっており、今後もこれを目玉に入学者数の安定化に努めていきます。少子化、AI、グローバル化の時代にイノベーションで生き残りを昨年から始まっている18歳人口減少は、想像がつかないような事態が進んでいます。更に人工知能(AI)とグローバリゼーションという2つの進展がもたらす社会の劇的な構造変化に対し、教育機関もイノーベーションを進めないと生き残れません。社会人や外国人という多様な学生を取り込む努力も必要です。各学長や校長のリーダーシップのもとに組織マネジメントを強化し、財務基盤の安定化とブランド力アップというある意味で相反する課題を解決するためのバランスの取れた学園経営も求められます。昨年7月の理事長再任時のごあいさつで「教職員のスクラム元年に」と呼び掛けました。スクラムとはお互いを大事にして尊重することです。あらゆるテーマの解決に向けてみんなで手を組まないと、ライバル校に対抗できません。学園創立100周年を見据えた長期ビジョン「J-Vision22」は総仕上げの段階です。教職員一丸で改革に邁進してまいりますので、今後も学生・生徒をはじめ保護者、卒業生の皆様の一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。02January, 2019 | No.82 | FLOW
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