常翔学園 FLOW No.81
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「キラリ*Josho note」page25は、ボクシングを始めてわずか1年半でプロボクサーとしてデビューを果たした摂南大の中村百汰さんと、米国での国際学会に招待されて唯一の学生講演者として研究発表した大阪工大の伊藤優花さんです。今回も常翔学園のキャンパスでキラリと輝く学生たちを紹介します。“未知との出会い”楽しむ筋金入りのリケジョ 今年9月に米国・モントレーで開催された国際学会「SPIE Photomask Technology + EUV Lithography 2018」で、伊藤さんは世界各国から招待された講演者23人の中で唯一の学生講演者として壇上に上がりました。100人を超える研究者やエンジニアらを前に、学部時代から取り組み開発した『走査電子顕微鏡内のフォギング電子軌道のシミュレーション』の成果を発表しました。これは所属するナノエレクトロニクス研究室の歴代の先輩から引き継いだ研究で、ナノの世界まで観察できる走査電子顕微鏡内を飛び交う電子の動きを再現するために独自開発したもの。その斬新なアイデアが先に行われた国際学会「Photomask Japan 2018」でベストアカデミックポスター発表賞を受賞し、今回の招待講演が決まりました。「緊張しましたが、先輩方や自分が取り組んできた研究の成果を世界のステージで発信できたことが何より嬉しかったです」と振り返ります。 エンジニアの父の影響もあって幼いころから実験や工作が大好きだったといい、理系の進路選択で迷うことはありませんでした。「なかでも電子と情報通信の分野に興味があったので、最先端の実験施設の揃ったナノ材料マイクロデバイス研究センターのある大阪工大を進学先に選びました」と話します。入学後、高校とは一味違う専門性の高い大学の演習授業に出会いました。「電子回路設計の授業では、学んだ原理が自分の作った回路で動作することを実感できとてもワクワクしました」。ますます勉学に弾みが付いた伊藤さんは、2年生から4年生まで3年連続で成績優秀奨学生に選ばれるまでに。「ナノエレクトロニクス研究室では成果が上がれば何度でも、国際学会で発表する機会が与えられ、研究者として多くの経験を積むことができます。より広い視野や見識を持つためにも、どんどん新しいことに挑戦していきたいですね」と自身のチャレンジ精神を奮い立たせ、1日の大半を研究室で過ごしています。 将来は日本にとどまらず世界で活躍できるイノベーティブなエンジニアを目指したいと話す伊藤さん。「未知なるものに出会える研究が楽しくて仕方ない」という彼女がのぞきこむナノの世界には、キラリと輝く“未知”が広がっています。モントレーで行われた国際学会で唯一の学生招待講演者として講演ナノ研究で国際学会にデビュー大阪工業大学大学院 電気電子・機械工学専攻博士前期課程1年伊藤 優花 さんいとう・ゆうかベストアカデミックポスター発表賞のトロフィーナノ材料マイクロデバイス研究センターの走査電子顕微鏡の前で14November, 2018 | No.81 | FLOW

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