組んで大阪が日本とアジアを牽引していくことを目指すと宣言しています。改めて今回の連携に最も期待するところをお話しください。尾崎■開かれた創造的な都市という大阪の魅力を更にアップする仕掛けの一つがオープンイノベーションです。大阪・関西ではライフサイエンス産業で既にオープンイノベーションの実績がありますが、それに続くAI、IoT、ロボティクスなどの第4次産業革命分野において新たなビジネスを創出しなければなりません。これらはまさに大阪工大の得意分野の先端技術で、新たなXportの取り組みから成果が生まれることを期待しています。久禮■ロボット市場は2020年には1兆2000億円に成長すると見られています。ロボットとともに情報系の成長分野も大阪工大が貢献できる分野です。オープンイノベーションの始まりは、アイデアはあるが資金のないベンチャーと新しい発想を求める大企業の出会う場でした。Xportではそこに“舵取り役”として大阪工大も参画し、学識のある教員と学生、大学院生が加わります。少子化による国内需要の縮小で大阪を支えてきた中小企業も海外に出ざるを得なくなっています。経済の原動力は今や国際競争力です。Xportで大阪工大はこうした固有技術を持った中小企業への専門的支援だけでなく知的財産学分野でもお手伝いができると思っています。西村■大阪工大として期待するのは教員の研究の活性化とさまざまなプロジェクトに参加する学生の成長です。Xportでは企業が抱える実際の課題がテーマとなるので、教員の研究の幅が広がりますし、学生には在学中にビジネス創出を実体験できる場になります。私の経験では学生は企業の方の話を本当に真剣に聞きますし、接することで成長します。尾崎■その理由は授業で学んだことが現場で実装されているのを実感できるからですね。─大阪の中心梅田に設置されたXportを大商が推進する「大阪をイノベーションの実証事業都市に」という事業にどう生かしますか。オープンイノベーション拠点、あるいは学びの場として、梅田の利点は何だとお考えですか? 尾崎■新ビジネスを創出するキーワードは「オープンイノベーション」と「実証事業」です。社会の多様な課題にスピーディーに対応するためにはこれまでの日本企業の自前主義では追いつかず、外部と連携するオープンイノベーションが求められています。また、ものづくりのあり方も製品の原型(プロトタイプ)をすぐに実社会のフィールドで試し、その成果を研究開発にフィードバックして付加価値を向上させる実証事業という手法が注目されています。この2つを具現化できるのがXportです。また、京都と神戸の結節点にある梅田は、多様な人たちが交流し、24時間活動している刺激に満ちた街でイノベーションにふさわしい立地です。02August, 2018 | No.80 | FLOW
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