常翔学園広報誌 FLOW 79号
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 学園理事会は、常翔学園中学・高校校長、常翔啓光学園中学・高校校長の任期が2018年3月31日に満了するのを受け、常翔学園中学・高校校長に北尾元一氏、常翔啓光学園中学・高校校長に吉村仁志氏をそれぞれ再任しました。任期はいずれも2年。2020年度から始まる大学入試改革に向けた正念場となる期間の重責を担う両校長に今後の教育の取り組みなどについて伺いました。─お二人が目指すそれぞれの学校の将来像と、それに向けての 現状認識を教えてください。北尾 学園創立100周年に向け、本校が掲げている将来像は「充実した進学指導とキャリア教育で、高い学力と人間力を兼ね備えた人材を輩出し、誰もが入学を強く望む地域有数の進学校になる」というものです。高校は名称変更して11年目で、2011年にできた中学校は開校8年目を迎えますが、ここ10年の学校改革で、将来像に近付いてきたと実感しています。キャリア教育は充実してきましたし、3年連続で現役生(今年は浪人を含めて3人)が京都大に合格するなど大学進学実績も向上し、地域でも「常翔」の名前が根付いています。吉村 昨年開校60周年を迎え、これまでの伝統を引き継ぎ新たな歴史をスタートさせました。現在本校は「大阪の私学の注目校の一つ」です。昔はラグビー部で目立っていましたが、節目の年に「クライミングウォール」や「ミューズギャラリー」などができ、今は施設の良さで目立ってきました。そのため地域の中学校や塾からの評価も上昇しており、今後は中堅の域から脱することを目指しています。中学校では今年からコースを再編し、特進選抜コースと新たにキャリア教育やイノベーション教育に取り組む未来探求コースを設定したところ、志願者数が増えました。定期テストで共通テスト想定の問題学年主体からコース主体の入試対応に─現在のセンター試験が大学入学共通テスト※に変わる2020年 度の大学入試改革(2021年1月実施)に向けた戦略をお聞 かせください。吉村 各大学が来年6月ごろから2021年度入試の入試要項を発表するので、それにまず対応します。またセンター試験より難易度が上がると予想される共通テストのプレテスト(試行調査)をしっかり分析する必要があります。私立大もプレテストを参考に入試問題を変えてくるはずです。今後の大きな対策として、これまでの学年主体の入試対応をコース主体に変えていきます。国公立大と私立大では入試形態がはっきり変わるので、コースを主体とした教育態勢に切り替えます。国公立大と私立大それぞれの入試問題を全教員で研究していきます。コースごとに入試研究班を立ち上げて、それぞれの生徒に合った進学指導をしていきます。入試も多様化していくので、生徒一人一人の得意に合わせた受験の仕方を見つけることが大事です。また、中学校では大学入試改革に対応したグローバル教育や学園内大学と連携したキャリア教育を充実させて、公立中学校にないアピール・ポイントとして打ち出します。北尾 今年の高校1年生から始まる改革です。知識・技能に加えて、思考力・判断力・表現力が問われる入試になりますが、本校がこれまで取り組んできた教育改革に沿ったものなので、生徒の主体的なアクティブ・ラーニングなどを更に強化していきます。また面接で自分の活動履歴(ポートフォリオ)を表現できる力も養います。従来の基礎学力をしっかり身につけさせることも大事にします。既に昨年からは定期テストでも共通テストを見据えた答えが一つでないような問題を取り入れるなど、各教科会議でも研究常翔学園中学校・高等学校校 長 北尾 元一05FLOW | No.79 | May, 2018 聞き手 : 西田太郎 学園本部広報室長特集対談Talk学園2中高の校長再任大学入試改革へ きたお・もとかず  京都工芸繊維大学大学院修士課程修了。1979年4月大阪工大高(現常翔学園高)教諭に。指導課長(当時)、教頭などを務め、2006年10月から現職。校長7期目。学園理事。教科は理科。趣味は自然観察と野菜作り、海釣り。座右の銘は「誠実」。

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