常翔学園広報誌 FLOW 78号
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新卒生から後輩に送る「エール」2018YELL01FLOW | No.78 | March, 2018巻頭特集 “氷上の格闘技”とも言われるアイスホッケーに大阪工大で出会った中橋さんは、創部60年以上の伝統あるアイスホッケー部のキャプテンを異例の大学3年から2年間務めました。部員たちを引っ張ってきたガッツで、春からは農業機械を開発するエンジニアの世界に飛び込みます。 中橋さんは奈良市立一条高では野球部員で、春の選抜高校野球の「21世紀枠」候補校になるほどのチームで要のキャッチャーとして白球を追う日々を過ごしました。「小学校からやっていた野球では燃え尽きた感じがしていたので、大学では新しいことに挑戦したいと思っていました」と振り返ります。大阪工大に入学して入部勧誘されたアイスホッケーの面白さに魅かれました。スケート靴も履いた経験がなかったほどの全くの初心者だったのですが、「野球にはない攻守の激しい入れ替わりや肉体のぶつかり合い、スピード感にはまりました」 アイスホッケーは1チーム6人ですが、キーパー以外の5人は体力の消耗が激しく、頻繁に交代します。その中で中橋さんは、ディフェンスとして主に守りを固めました。「相手選手と体でぶつかり合うことも多いポジションで、競り合ってパックを奪えた時の快感は何物にも代えがたいです」とその醍醐味を語ります。仲間からの信頼を得て3年からは34人の大所帯の部のキャプテンを任されました。野球のキャッチャーで培った司令塔としてチーム全体を見る目も役立ちました。昔からの練習場だった守口市内のリンクが廃止され練習リンク探しに奔走したり、試合に出られない部員のモチベーション維持に腐心したり、苦労も絶えませんでしたが、キャプテンを務めたことで多くのことを学べたと言います。「例えばつながりの濃いOBとの付き合いでは、お金の使い方の厳しさや人前での話し方、ほー・れん・そー(報告・連絡・相談)の大切さを教えられました。これから社会に出る前の貴重な経験でした」と話します。 大手建設機械メーカーのエンジニアの父親の影響もあり、大阪工大でものづくりを学んだ中橋さんですが、今春からは大手の発動機・農業機械メーカーのヤンマーでエンジニアになります。「奈良市内でも田畑に囲まれた地域に育ったので、農家の高齢化を実感しています。そんな高齢の農家の人たちを少しでも助けられる農業機械や、若者が農業に興味を持てるようなかっこいいトラクターなどの設計・開発をしてみたいです」。頻繁に海外出張していた父親のように、海外でも活躍できるエンジニアを目指して英語の勉強にも力を入れています。 卒業後はアイスホッケーからしばらく離れることになるかもしれませんが、将来はOBチームでプレーを続けることも考えています。「野球とは違い、アイスホッケーではまだまだうまくなれると思っています」。卒業式前にアメリカで本場のプロアイスホッケーリーグ「NHL」の試合観戦も計画しており、アイスホッケー愛が冷めることはなさそうです。 「大学では勉強以外に何か熱くなれるプラスαを見つけて打ち込んでください」。大きなプラスαを手に入れた中橋さんから後輩への熱いエールです。関西学生リーグ戦での中橋さん(右)アイスホッケーで培ったガッツで農業を活性化できるエンジニアに中橋 拓也さん■ ヤンマー 内定大阪工業大学 機械工学科4年ひ
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