常翔学園広報誌 FLOW 76号
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特集学生たちの活躍企業のリアルな課題と5カ月間“格闘” RDクラブはキャンパス内企業インターンシップで、大阪の中心地にある梅田キャンパスの立地を生かし、企業に大学まで来てもらいながら連携し、ユーザー視点で新製品やサービスのアイデアを創出する手法「デザイン思考」を用いて地域や企業が抱えるリアルな課題の解決を目指すプロジェクトです。3学科の1年~3年までの127人が、各企業の社員やコーチとしてかかわる教員、大学院生と6月から5カ月間、ロボティクス&デザインセンター(RDC)を拠点に課題に取り組みました。20チームが企業や教員との議論を重ねてアイデアをまとめました。 質疑を含めて10分間の発表で各チームが、企業の担当者や一般の来場者を前に、工夫を凝らしたプレゼンテーションを繰り広げました。パワーポイントの説明だけでなく、アイデアを形にした試作品を披露するチームや商品をコマーシャル動画・寸劇でアピールするチームも。ダンシングロボットのセールス向上策として、小さな子供にアピールできるようロボットの顔を可愛く作り変えることを提案した竹中製作所B班の御﨑雄貴さん(ロボット工学科1年)は、幼稚園児のアンケートで人気のあった顔の試作品を見せながらプレゼンテーション。「RDクラブに参加したことで企業からたくさんのことを学べ、更にロボットへの興味が大きくなりました」と振り返りました。企業側の担当者の中には大阪工大の卒業生も何人かいて、積水ハウスの辻岡徹也さん(2008年建築学科卒)は「企業も若い学生の自由な発想が欲しいのです。企業と早くから交流できるプロジェクトを経験できる学生がうらやましいです」と話していました。 審査の結果、ロボティクス&デザインセンター長賞に3チームが選ばれました。1位となったデータプロセスB班は、植物の生育状況などをSNSで知らせる企業のアプリを改良し、植物が「水が欲しい」などとあたかも会話しているような機能を提案。貸し農園業者などがより多くの利用者をつかむアイデアとして評価されました。同チームの岡本浩暉さん(システムデザイン工学科1年)は「みんなで話し合って脱線することもありましたが、そこからアイデアが生まれることもあり楽しかったです」とチームでの取り組みの面白さを語りました。 審査に当たったシステムデザイン工学科の井上明教授は「1年生が多かったのに、5カ月で成長しました。失敗を何回も繰り返したチームほど成果を上げたと思います」と5カ月間の手応えを話し、同センター長の本田幸夫ロボット工学科教授は「ユニークな取り組みに来年度参加したいという企業が既に20社近くあります。学生の知識が蓄積されていけば、更に素晴らしいアイデアが出てくるはずです」と今後に期待を込めました。 大阪工大ロボティクス&デザイン工学部の産学連携プロジェクト「RDクラブ」の学生20チームが梅田キャンパス学園祭「茶屋町祭」の10月29日、連携企業11社から与えられた課題への解決策を発表しました。企業名連携企業と課題人数(学生)宇宙開発協同組合 SOHLAサントリーシステムテクノロジー積水ハウス竹中製作所棚橋電機チェリッシュデータプロセスパナソニック デバイスSUNX竜野マッスルECRiPresence宇宙ロボットの開発IoT技術を用いた小型冷蔵庫(オフィス、研究室向け)の開発IoTやロボットを活用した未来の住空間ダンシングロボットを用いたビジネス展開(宣伝から販売までのモデルを構築)ロボホンやPepperを用いたビジネス展開高齢者向けの装飾ジュエリー(着脱しやすいネックレス)の開発ICT観光農園のビジネス展開IoTデバイス(CO2センサー)を活用したビジネスを考える一体型ACサーボシステムを活用した新しいロボット事業ドローン教習所ビジネスを軌道に乗せるための新たなドローン活用方法テレプレゼンスロボットを利用した新たなコミュニケーション11人14人14人11人10人11人8人9人14人14人11人課題05FLOW | No.76 | November, 2017来場者にアイデアを説明する1位のデータプロセスB班高齢者が着脱しやすいネックレスの試作品を展示する2位のチェリッシュのメンバー企業の担当者だけでなく一般の来場者でもにぎわったプレゼンテーション会場清掃補助ロボットを提案した3位のマッスルC班RDクラブが“デザイン思考”の成果発表大阪工業大学

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