常翔学園広報誌 FLOW 76号
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03FLOW | No.76 | November, 2017摂南大学 学長この2年間で摂南大生への認識を新たにされたことは ―― 摂大祭など学生自身で運営する催しを見るたびに、表に立って活躍している学生だけでなく、縁の下の力持ちのようなポジションで頑張っている学生たちが必ずいることに気付かされました。今年の入学宣誓式での迫力あるパフォーマンスも感動的で、学生たちの力を再認識しました。学修成果もさまざまな面で出てきており、こんなに伸びる力のある学生たちがいることは大学として幸せだと実感しています。2期目でもっと発展させたいことや着手されたいことは ―― 1期目は「教育の質的転換」、つまり「教授者中心の教育」から「学修者中心の教育」への改革を進めてきました。学内で教職員のチームが推進力となり、学部・学科の垣根を越えて幅広い知識・技能・態度を学修できる「ソーシャル・イノベーション副専攻課程」が始まるなど成果が上がり始めています。2期目ではそれを全学的な「教育の質保証」と結び付けていきたいです。もう一つは知性と人間性を結び付けるタグライン「Smart and Human」の更なる具体化です。本学のブランディングにもつながりますが、研究成果・教育成果の社会への発信力を強めていきます。 創立40周年の歴史を越えて、新しい学部とキャンパス整備を本学の「ネクスト・ステージ」の柱にしていきます。既に構想を発表した農学部は、昔のイメージとは大きく変わっています。「グリーン」「スマート」というイメージで、女子学生も十分引き付けられると思います。農業関連産業は再成長期と言われるほど大きな可能性を持った夢を描ける分野なのです。更に文系の新学部も構想中で、この2つの新学部を加えることで、既存の学部と連携しながら総合大学としての幅を広げ、新しい時代の要請に更に応えていきます。キャンパス整備では、まず枚方キャンパスで農学部施設や体育館の建設が始まります。学生数が増えることもあり、枚方キャンパスのアメニティー向上も図ります。寝屋川キャンパスでは来年早々に隣接の日本ペイント跡地の引き渡しがあります。校地面積が約1.4倍になり、全体に余裕が生まれるのですから、これもアメニティー改善につなげます。さしあたり不便なバス停周辺の環境改善から進めていきます。新学部とキャンパス整備という2つの柱によって本学のブランド力を向上させ、進学適齢人口の減少の中でも「選ばれる大学」であり続けたいと思います。 グローバル人材育成の取り組みも更に力を入れていきます。外国語学部には留学必修の「英語プロフェッショナルコース」がありますし、海外の大学との連携強化も進んでいます。国際化戦略の中に2025年度には全在学生の5%を海外派遣するという目標を掲げるとともに、外国人留学生の受け入れも促進します。またICT(情報通信技術)利用の推進もアクティブ・ラーニングのためには不可欠になってくるので研究を進めています。学生や教職員に求めることは何ですか ―― 学生も教員もまだ全体的におとなしく、もっとアクティブになって欲しいです。個別に見れば、ストリートダンスの世界で活躍したり、研究発表でグランプリに挑戦したり、フォーミュラカープロジェクトに参加したり、新しい領域を切り開いて頑張っている学生も出ています。それがもっと広がってほしいですね。やぎ・きいちろう ●10代学長(再任)。1971年東京大学社会学科卒業。1978年名古屋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。岡山大学経済学部講師、助教授、京都大学経済学部教授、同学部長などを経て2010年摂南大学教授に。経済学部長、副学長を歴任。経済学博士。山口県出身。70歳。新時代の農学部とキャンパス整備でネクスト・ステージへ八木 紀一郎1期目の印象的な出来事人気ドラマで話題となった「恋ダンス」を学生らと踊りYouTubeに公開(2016年12月):学長室で学生に習って1時間練習しました
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