常翔学園広報誌 FLOW 76号
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02November, 2017 | No.76 | FLOW大阪工業大学 学長西村 泰志この2年間で大阪工大生への見方は変わりましたか ―― 改めて良い学生が多いなあと感じています。それを裏付けるように、今年6月に出た日経キャリアマガジンの就職力ランキングで本学は多くの項目で全国上位になりました。有力企業の人事担当者の大学や学生への評価によるもので、「採用を増やしたい」9位、「行動力」6位、「独創性」19位、などで総合ランキングは前年の36位から29位にランクアップしました。今春の梅田キャンパスとロボティクス&デザイン工学部の開設もあり、多くの外部の方から「工大は良くやってますね」と声を掛けられました。この機会を生かして更に本学と学生への社会の評価を上げていきたいですね。2期目の抱負をお願いします ―― まず推進したいのは大学教育再生加速プログラム(AP)です。国の支援事業で昨年度に関西の私立大では唯一本学が選ばれました。要するに「学生にしっかり勉強させよう」という取り組みです。ミニマム・リクワイアメント(学ぶべき最低基準)の明示が始まったところで、成績の客観的評価方針や学修成果の可視化であるディプロマ・サプリメント(取得学位の内容を説明する学位証書補足資料)の策定も進んでいます。社会からの評価を上げるためには、教育の質を保証し、良い学生を継続的に輩出することが必要です。全学的にAP推進の号令を掛けています。今では人工知能(AI)が英語をかなりの程度翻訳できてしまう時代です。これからの学生には英語を話すことだけでなく、それ以上に何を話すかが問われてきます。いろいろな本を読んで一般教養や専門知識を身につけることが重要で、そのための教育改革です。 教育改革とともに研究ブランディングも力を入れていきます。地域企業の新製品や新サービス開発をサポートする「地域産業支援プラットフォーム(OIT-P)」が、文部科学省の平成29年度私立大学研究ブランディング事業(タイプA【社会展開型】)に採択されました。「ものづくり大阪」を支える大学ブランドの確立を目指します。また教員の研究を進める上では、パートナーにもなる良い学生・大学院生がいることも大切です。教育改革は研究改革でもあるのです。大学院生を増やし、そのレベルを上げるためのAP推進でもあります。 学生のPBL(課題解決型学習)やプロジェクト活動は活発で、座学だけでは学べないチーム力や協調性を育んでおり、本学の実践的教育の強みです。海外の協定大学の学生とチームを組んで共通課題に取り組む国際PBLなどのグローバル人材育成とともに今後も力を入れていきます。もちろん大宮キャンパスの再整備など大学全体の教育環境の整備も進めていきます。学生、教職員に求めることは何ですか ―― AIの発達で将来、今ある職業の半分はなくなると言われています。学生たちにはそんな時代を生き抜くために頭の中に多くの引き出しのある人材になって欲しいです。 教職員の皆さんには、30年後には理工系の学生数が今の6割になるかもしれないという危機感を共有していただきたいです。約10万5000人の卒業生を社会に送り出してきた本学の伝統と責任を感じながら、18歳人口が減少し始める「2018年問題」を乗り越えて、選ばれる大学であり続けましょう。にしむら・やすし ●12代学長(再任)。1973年大阪工業大学建築学科卒業。1976年同大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。同年大阪工業大学助手に。講師、助教授を経て1999年教授。八幡工学実験場長、学生部長、工学部長を歴任。博士(工学)。愛媛県出身。67歳。大学教育再生加速プログラムと研究ブランディングの推進で社会の評価の更なる向上を1期目の印象的な出来事石清水八幡宮(京都府八幡市)での空手道部の成人式奉納演武(今年の成人式):もともと格闘技ファンで瓦割りなどに感動

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