○学校法人常翔学園知的財産ポリシー
2009年2月19日
T はじめに
「世のため、人のため、地域のために理論に裏付けられた実践的技術をもち、現場で 活躍できる専門職業人の育成」という建学の精神を具現化するひとつの方策として、学 校法人常翔学園(以下「学園」という。)は、設置する大阪工業大学、摂南大学及び広島 国際大学(以下「設置大学」という。)が創出する研究成果を広く社会に還元し、あるいは 専門的知見をもって社会に貢献する責務を担っています。また、2002
年に制定された知 的財産基本法においても、「大学等は、その活動が社会全体における知的財産の創造に 資するものであることにかんがみ、人材の育成並びに研究及びその成果の普及に自主 的かつ積極的に努めるものとする。」と定められています。
そのため、真理を追究し(研究)、真理を学生に授け(教育)、創出された知的財産を社 会に活かす(社会貢献)、3つの機能を有機的に連結し、そこで生み出される知的創造物 を知的財産権として権利化するなど、適切に「保護管理」「活用」することが必要になりま す。
学園では、この知的財産の「創出」「保護管理」「活用」のサイクルの実現に組織的に取 り組むことにより教職員等の教育・研究活動の活性化に役立てて、研究成果の普及及び 活用を通して、知的財産に基づく社会貢献を推進します。
U 本ポリシーの対象となるもの
「知的財産」:発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動に
よ り生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であっ
て、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活
動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業
活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。
「知的財産権」:特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知
的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益
に係る権利をいう。
V 知的財産への対応
1 基本的な考え方
研究分野を問わず設置大学の教職員や学生によって創出された知的財産を核に、産 官学連携を進め、知的財産感覚に長けた有為の人材を育成するなど、研究・教育両面 から社会貢献活動を果たすに当たって留意すべき指針を示します。具体的な手続等に ついては、設置大学の「発明規定」、「委託研究取扱規定」、「学外機関共同研究取扱規 定」および「学校法人常翔学園奨学寄附金取扱規定」などのその他諸規定などで別途定 めます。
2 研究成果の取扱い
(1)知的財産権の帰属と承継
@学園では、知的財産を社会に還元するには、組織として管理したほうがより有効であ るとの考えから、教職員がなした知的財産のうち、設置大学が研究費その他を助成して 行う研究、または設置大学の施設設備を利用して行う研究の成果(以下「職務発明等」と いう。)に係る知的財産は、権利取得の可能性、収益性、市場性及び費用対効果など総 合的な判断により学園が承継することを決定した場合において、これを承継するものとし ます。
ただし、通常の教育研究活動に基づいて創作した著作物に関する著作権は、教職員個 人の帰属とします。なお、学園の発意に基づいて教職員が職務上作成する著作物(ただ し、学術論文、個人名義の出版物、講演及びそれらに付随する実験データの図表等は 除く。)に関する著作権については、著作権法第15条の要件を満たす場合原則として学 園に帰属します。
A @の場合において、教職員が第三者と共同研究等を行った結果、職務発明等が生じ たときは、当該研究等に関する契約に基づき、その職務発明等に関する知的財産の共 有部分を学園が承継します。
B @及びAの場合において、権利取得の可能性、収益性、市場性などの様々な観点か ら学園が承継しないと決定した職務発明等に関する知的財産については、発明者に帰 属します。
C 学園と雇用契約のない学生の発明については、学生が希望し、知的財産を学園が承 継するときには、学園と学生との間で譲渡契約を締結します。
(2)発明者等の保護
@ 学園が承継した知的財産権にかかわる係争及び訴訟については、学園が対応し、発 明者等である教職員等の正当な権利を保護します。
A 学園が承継した発明等を出願した場合、当該発明等が登録された場合及び学園が 取得した知的財産権を譲渡し、又は実施許諾したことなどにより、学園が収入を得たとき は、発明者等に補償金を支払います。
(3)知的財産権の取扱いに関する異議申し立て
発明者等は、知的財産が職務発明等に該当するか否かの学園の判定に不服があるとき には、通知を受けた日から2週間以内に学園に対し、書面をもって申し出ることができま す。
(4)知的財産権の維持管理と活用
@ 学園が承継した発明等の出願手続及び知的財産権の維持管理に伴う費用は、費用 対効果を考慮に入れつつ責任をもって、学園が負担し維持管理に努めます。
A 知的財産のうち特許出願については、ライセンシングされた場合又はライセンシング 交渉中である場合にのみ審査請求することを原則とします。
B 学園が承継した知的財産権のうち、設置大学の発明委員会等において活用の見込 みがないと判定された知的財産権を、設置大学の上申に基づき学園が放棄の決定をし た場合は、放棄の手続を採ることができます。また学園は、学園が承継した知的財産権 を放棄するときは、その旨を当該発明者等に通知します。この場合において、その発明 者等が希望するときは、原則として当該発明者等に知的財産権を譲渡することについて 協議します。
C 学園は、学園が承継した発明等の出願準備、出願した発明等の権利化までの特許 庁との対応及び第三者に対する当該発明等に関する知的財産権の実施許諾の際は、 必要に応じ、当該発明者等に対して協力を求めることができることとします。
3 産官学連携における研究成果、知的財産権の帰属とライセンスの考え方
(1)委託研究にかかわる研究成果、知的財産権の帰属
学園及び委託研究に係る契約を締結した企業等の貢献度を踏まえ、協議のうえ帰属
(単独所有又は共有)を決定します。
(2)共同研究にかかわる研究成果、知的財産権の帰属
学園及び共同研究に係る契約を締結した企業等と原則共有とし、その持分については 別途協議して決定します。
(3)研究成果、知的財産権の実施にかかわるライセンスの考え方
委託研究及び共同研究に関する知的財産権の実施は、相手先企業等と協議して決定し ます。なお、相手先企業が、地域企業及び大学発ベンチャー企業の場合は、特に利用し やすい条件の整備に努めます。
4 守秘義務
(1)設置大学における通常の教育研究活動の場合
教職員は、守秘義務(出願等を行う前に論文発表等の公表をしないなど)に反しない範 囲で研究成果を公表していくこととします。
(2)産官学連携活動の場合
産官学連携活動等により相手先企業等から守秘義務を求められた場合は、秘密保持契約等に基づき当然に守秘義務を負います。産官学連携活動等に参加する学生も、秘密 保持誓約書に定める守秘義務を負います。
W 利益相反への対応
1 基本的な考え方
(1)学園は、教育、研究、社会貢献という設置大学の果たすべき役割にかんがみ、教職員 等が教育・研究に支障のない範囲内で、技術移転等の産官学連携活動を推進すること を奨励します。
(2)教職員は、産官学連携に携わるにおいて、産学官連携に伴う個人的な利益や提携先 の利益を優先する結果、本来の使命である教育・研究をおろそかにならないようにし、当 該行為が、社会から利益相反であるとの疑いをもたれないよう努める必要があります。ま た、学園は、設置大学と協力して産官学連携の推進等を公正かつ効率的に行うために、 教職員等の利益相反を未然に防止し、生じた利益相反については、解決のための措置 を講じるために利益相反マネジメント体制を今後構築していきます。
2 判断基準
設置大学における職務に対して個人的な利益を優先させると見られたり(狭義の利益 相反)、個人的な利益があるなしにかかわらず設置大学の外部での活動へ時間配分を 優先させると見られたり(責務相反)して、設置大学の教育・研究活動等の公正さに疑念 を生じさせているか否かを基本的な判断基準とします。
X 適用対象者
本ポリシーの適用対象者は、教職員等とします。学生は、設置大学における通常の研 究活動では、本ポリシーの適用対象者になりませんが、以下の場合については、本ポリ シーの適用者になります。
この場合にあっても学生が有する「教育を受ける権利」と「選択する自由」が損なわれな いよう学園および設置大学は配慮します。
(1)本ポリシーの適用を受けることについて学園との間に契約の締結や誓約を行った場合
(2)学園と雇用契約を締結するなどして設置大学の業務に従事する場合
Y 適用と見直し時期
本ポリシーは、2009年4月1日より適用し、それより以前の事例(既に学園に帰属して いる知的財産権は除く)については、遡って適用しません。その他社会情勢や学園及び 設置大学を取り巻く環境の変動等に応じて、適宜、柔軟に見直しを行います。
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