大人気テーマパークの経営を支え500人のチームを率いる

株式会社 ユー・エス・ジェイ ストアオペレーション エリアマネージャー   黒原 ひかる   さん

黒原 ひかる さん:株式会社 ユー・エス・ジェイ ストアオペレーション エリアマネージャー

PROFILE
2000年3月摂南大学経営環境情報学科卒。同年4月第1期社員として株式会社ユー・エス・ジェイ入社。現在「ハリー・ポッター」エリアの8店舗を含む10店舗を運営する責任者。パーク初のファッションブランド「Smoo・chu(スムーチュ)」の立ち上げにも携わった。奈良県出身。

昨年度の年間来場者は1270万人にのぼり、今や日本を代表するテーマパークとなったユニバーサル・スタジオ・ジャパン®。摂南大を卒業した黒原ひかるさんは2001年の開業時からのベテラン社員です。グッズなどのショップの運営担当の課長職として今や500人の部下を束ねる黒原さんは、売り上げなどの数字と格闘する日々ですが、チームで練った戦略が当たって大きな成果につながった時の醍醐味は格別だと言います。

大学3年の時にアメリカ・ロサンゼルスでユニバーサル・スタジオに行き、世界観が変わるようなエキサイティングな体験をしました。帰国するとそのユニバーサル・スタジオが大阪での開業に向けて第1期社員を募集していたのです。それまでは就職先としてテーマパークは考えてもいなかったので絶妙のタイミングでした。「新しいテーマパークの立ち上げにゼロからかかわれるのは面白そう、というのが直感でした」。開業1年前の入社時にショップ担当を希望。まずアメリカのユニバーサル・スタジオ・フロリダで実地研修を受け、日本では百貨店に出向いて小売りの勉強をしました。

入社以来ショップの運営に携わってきましたが、昨年7月にオープンし話題となっている「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター™」エリアのショップの立ち上げにも責任者としてかかわりました。「これまでで最も大変な仕事でした」。映画の世界観を崩してはいけないという大前提があるため、ライセンサー(許諾を与える側)のワーナー・ブラザースとの交渉があります。思ったことがそのまま採用されるわけではなく、さまざまな制約も大きな壁となりました。そんな苦労のかいあって予想をはるかに超えた大ヒットに。エリア内の8店舗のクルー(販売員)を急きょ当初の2~3倍に増やしたり、商品の仕入れを確保する対応に追われました。混雑緩和のため来店者の回転を速めたり、他のエリアへ誘導するなどの戦略を練るのも大きな仕事でした。

「ハリー・ポッター™」エリアのショップでは「百味ビーンズ」や「杖」などの売れ行きが絶好調で多くの社内表彰も受けました。「チーム一丸となって仕事して苦労したので、部下が表彰された時が一番うれしかったですね」と振り返ります。

スタッフがゲストに与える満足度はアトラクションと同じ価値がある、というのが会社の考え方です。単に愛想良くするのではなく積極的に話し掛けるなどゲストと楽しさを共有する空間をつくるように指導します。「アトラクションと違ってスタッフはどんどん入れ替わります。その質を維持するのはとても大変です」。スタッフ500人をマネジメントすることも、販売と変わらない大きな仕事です。しかも常に外部の覆面調査員がスタッフのサービスレベルを評価していて、その数字を示される厳しい世界でもあります。

摂南大では経営学を学びました。「簿記や英語、心理学をもっと勉強しておけばよかったと思います」と言いながらも「とにかく楽しい4年間でした」と黒原さん。後輩には「大学の時にしかできないことはあるはず。それをエネルギッシュに自由に楽しんで」とアドバイス。ヨット部で活動したり何度もアメリカへ旅行したり、自由で充実した時間を過ごしたお陰で人とのコミュニケーション能力を磨けたと思っています。それが今500人のチームを束ねる礎になっています。

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